「地中海式ダイエット」はイタリアの医食同源!

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ! 20
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赤坂6丁目に出来た地中海バル、アンゴロビーのジェのベーゼ。スペイン人シェフと串焼き職人によるコラボの店ですが、味のセンスが光ります♪

怒濤のペン入れが一息ついた今週ですが、セブン区議こと七戸じゅん区議の選挙の手伝いに毎日出ています。ま、手伝いといっても事務所でムダ話してるだけですが(笑)。

4期目の挑戦ということで、町の人からは「七戸さんなら大丈夫よ」と言われますが、そういうのが一番アブない。
ほかの競合候補から「七戸さんはどうせ大丈夫ですから、私に1票入れてください」と、票を取られてしまうからです。

というわけで、港区民のみなさま。

じゅん、じゅん、じゅん、”しちのへ(七戸)じゅん”を、よろしくお願いします!

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ! 20
「地中海式ダイエット」はイタリアの医食同源!
掲載日:2005年3月29日

まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!

東京はそろそろ花見の季節に入ってきてるが、お客さんの住んでるトコはどんな塩梅だい? 俗に花よりダンゴなんて言うけれど、日本の花見くらい、その言葉があてはまるものはねえだろうなあ。

どうも花見の馬鹿騒ぎってえのは、今にはじまったことじゃないようで・・・落語の「長屋の花見」なんぞを聞いてもわかるように、長屋のみなさんも花を愛でるなんて無縁の話だったようだ。

ただまあ、貧しかった昔のこと。落語の花見じゃ、酒が買えないからお茶を水で薄めて、気分だけ味わおうなんて具合だから、酔っぱらって正体を無くすわけにはいなかったようだ。無軌道な酔っ払いが出没する昨今、お客さん方は、どうか節度を持って飲んでおくんなせえよ。

ともかくも、これであっしの商売と言えば、花見はちょいとした稼ぎ時だ。桜が相手なもんで、時期を完全に特定できないのが、アタマの痛えとこだが――南の方から、旅館や仕出し弁当屋さんの注文が、桜前線と一緒に北上してくださるのは、何とも嬉しい限りさね。

ともかくも、このイダテンのゲンさん。日本全国津々浦々、安くて新鮮な素材をお届けいたしやすぜ!

「地中海式ダイエット」はイタリアの医食同源!

今回は、ちょっくら趣向を変えて、南イタリアの「医食同源」についてお話いたしやしょう。時にお客さん――「地中海式ダイエット」て、言葉を聞いたことあるかい?

おっと、こいつは近頃の流行りだそうだから、女性のお客さんなんぞは、あっしより詳しいかもしれねえが、少しばかりお付き合いいただきてえもんで・・・。

ダイエットと一口に言うが、「痩せる」という意味だけではない。もともとダイエット(diet)とは「1日の食事」ということで――食事制限や健康維持が本来の意味なんだ。

地中海式ダイエットというのは、いわば地中海式「医食同源」――痩せることのみを目的とするのではなく、食事によって健康を手に入れようって話さね。だから痩せ過ぎの人の場合は、当然、逆に体重を増やす(健康的に)こともあるわけで、本来のダイエットの意味に則しているわけさ。

なんでもこいつは、1960年頃のこと――ヨーロッパで国勢調査をしたところ、南イタリアやギリシャのクレタ島の住民が、妙に平均寿命が長いってんで、疫学研究者たちが目をつけたのが出発だそうだ。

アメリカやヨーロッパの金持ちは、クレタや南伊の貧しき人々が、自分たちよりずっと健康で長生きだったのが、よっぽどショックだったんだろうな~。昔から日本じゃあ「粗食は長生きする」なんて言われていたから、そんなのあっしらが聞いても驚きゃしないがね(もっとも粗食は長生きってえのは正確じゃない。バランス良く、食い過ぎないってことさね)。

そこで、彼らの食事や生活習慣を徹底的に調べた結果、たどりついたのが地中海式ダイエットだったんだそうだ。

なにね、よくよく聞いてみりゃ、その極意というのは実にシンプルで、適度に食べ、適度に動き、適度に休息をとることなんだそうだ。あっしなんざ、よく食べ、よく動き、全然休まないから、そんな意味じゃあオーバーワーク気味だがね。

地中海式ダイエットの食事は野菜と果物、そして穀物が中心。それを毎日十分に食べる。油はオリーブオイルを使い、チーズやヨーグルトなどの乳製品を適量。タンパク質は豆と魚介類が中心で、肉は少なめが望ましいが、食べてもまったくOKだ。

仕上げは食事と一緒に適量のお酒を飲む。うーん、こいつはなかなか嬉しいダイエットじゃねえかな~♪

海は健康も運ぶ

地中海式ダイエットのルーツをさらに遡れば、サレルノというナポリから電車で1時間の小さな町にたどり着く。海の美しいこの町は、ヨーロッパ最古の医学校発祥の地で――同じ湾の並びには、歌で有名なソレントやアマルフィなどの観光地がある。

前回も申し上げたが、ナポリからサレルノ、アマルフィといったカンパーニア地方は、中世にナポリ、ジェノヴァ、ヴェネチア、ピサという4大海運国と謳われただけあって、海の交差点とも言える土地柄だった。

サレルノも7世紀半ばには、自国のラテン文化に加え、東のギリシャ&ビザンチン文化、そして北アフリカやスペインから、アラブやユダヤの文化が流入していた。

その関係で、最先端の知識を持っていた人たちが、この小さな土地に集まってきたんだ。その中には志の高い医学者たちも多く、智恵とお金を集結させた彼らは、何と世界で最初の医学校をぶっ建てちまったのさ。

言葉はもちろん、宗教や文化、それこそ食べ物などの習慣も異なる医師たちが集まり、健康について論じ合ったて言うんだから、大したもんさね。

ここで大切なのは、いくら議論をしても、実際にそれを実践する人と材料がなければ、単なる机上の空論。何事も実践をともなわない考えは、畳水練に過ぎないが――どうやらサレルノの医師たちは違っていた。ここにはきっと、さまざまな土地から運ばれてくる豊富な食材、あるいは薬草、ハーブ、スパイスなどが満ちあふれていたんだろう。

まさに欧州版・医食同源のはじまり、はじまり~ってことさね。

もっとも、それがすぐに「地中海式ダイエット」に結びついたわけではない。南イタリアには医食同源の考え方が、昔から自然にあったというわけだ。

当時の医師たちが編纂した「サレルノ養生訓」には、文字通り医食同源が説かれており、食事療法などの処方、節制の大切さが記されてある。日本でも出版されているので、興味のあるお方はぜひ一読しておくなせえ。

イタリアに漢方あり?

さて、もともとカンパーニア地方は、ラテン語で「幸せの地」を意味するだけあって、温暖で風光明媚な風土に恵まれてる。

ナポリをはじめ南イタリア地方は、B.C.5世紀――ギリシャの植民地として出発したとされているが、早いうちにローマに同化され――ポンペイやエルコラーノの遺跡を見てもわかるように、まあローマの衛星都市みたいなモンだったのさ。

そんなローマ人たちが持っていた知識に、ハーブによる薬草学があった。オリンピックでおなじみの月桂樹をはじめ、オレガノやマジョラム、ローズマリー、セージなどは、どれもローマ時代からの古株だ。

その後、中世以降に海をわたって南方からスパイスがやってくると、食い意地の張った神父や修道師が僧院の中で、薬草酒なるものを作りはじめた。

フェンネルやルバーブ、ミントは食欲促進の効果。アニスには咳を鎮め、利尿作用がある。ショウガとシナモンには胃を丈夫にする上、発汗作用と保温作用がある。バジリコやローズマリー、セージには殺菌作用や、胃腸の調子を高め、消化を促進させる等など・・・。

ハーブやスパイスの効能を熟知した連中が漬け込んだリキュールは、漢方に近いものとして注目したい存在だ。薬草酒は南イタリアだけでなくイタリア全土にあるが、カンパーニアで有名なものはリモンチェッロという、レモンの皮をアルコールに漬け込んだものがある。

陳皮(ミカンの皮を乾かした生薬)など、柑橘類の皮には咳止めや発汗、健胃剤の効果があるから、リモンチェッロにもそんな効能が期待できるんじゃねえかな~。ま、飲み過ぎたら何でも逆効果だがね。

ほかにもアーティチョークを漬け込んだチナール。アマーロというリンドウの根(※1)を漬け込んだ薬用酒。さらにマラリアの特効薬キニーネを漬け込んだグラッパ(※2)まであるってんだから、キリスト教の坊主たちも、なかなかアナどれないってとこさね。

※1 アマーロは「苦い」という意味だが、実際は甘いものが多い。リンドウの根はそのままでは毒だが、これが薬用に変化するためか、詳細の製法は不明。

 ※2 ワインに使うブドウの搾りかすで造った蒸留酒。

イタリアに根づかなかったアラブ文化

地中海式ダイエットの優れている点は、人間の営みに逆らわないってことだろう。人間は食べたいのをガマンできないし、眠いのもガマンできない。そら~1日2日徹夜したり、飲まず食わずでも死にはしないが、そんなこといつまでも続きやしない。

余談になるが、ご存じの通りイスラム教にはラマダンってえ断食月がある。

断食といっても、もちろん1か月飲まず食わずでいるわけではない。1日のうちお天道さまが顔を出してる間は、水はおろか生唾飲むことすら許されないという、ムスリムの習慣だ。

その代わり、日が落ちたあと何をどれだけ食べようと思うがままなのさ。

イスラム教徒は、この時アッラーの神に感謝を捧げながら、食べる喜びをかみしめるそうなんだ。もちろん食べ物に感謝する気持ちはすばらしいのだが、ラマダン中にこのドカ食いで太る人が多く、最近ではダイエットを気にする女性も多いらしい。また1年のうち、食料消費のいちばん多いのがラマダン月だそうで・・・いわゆるリバウンドと同じような現象だ。当然、仕事の能率も落ちるので、社会問題になっているようだが、なんせ神さまの意志なもんで、どうにもならないそうだ。

南イタリアはイスラム文化の影響を色濃く受けてはいるが、禁酒の教えやラマダンなどが壁になったのか、定着はしなかったようだなあ。

色は命の源でえ!

ともかく余分なカロリーを意志の力で節制したり、運動で燃焼させることは難かしい。

地中海式ダイエットの特筆すべきは、食べることを極端に抑制しないことだ。デンプンなど穀類を十分に摂ることはもちろん、サカナによるタンパク質を推奨してるのも嬉しいトコだね♪

南イタリアの食では、色のついた野菜や果物を多く摂れるのが良いみたいだ。これは以前お話した、中国の医食同源では陰陽五行説に基づく、青・赤・黄・白・黒――五色(ごしき)の食べ物をバランス良く食べなさい、という考えに近い。

色のついた食べ物を摂ることには、きちんとした意味がある。リコピンやカロチンの赤や黄色の効能といった、化学的分析はもちろんなんだが――それはもっと根源的な「食べること=命をいただく」という意味につながるからだ。

なに。ゲンさん、薮から棒に、坊さんみたいなことを言うって?

うーん。あっしが言ってるのは、もっと化学的な意味なんだがね(もちろん、信心に近い意味もあるんだがよ)。

こないだ知り合いの学者先生に聞いたんだが――生き物に色がついてるにはそれなりの理由がある、つまり色素ってえのは変化しやすい物質だから、環境のちょっとした変化に対応できるって言うのさ。

たしかにトマトは短期間で緑から赤に変わるし、イカやタコに至っては瞬間的に色を変えられるし、サカナなんぞは、生きて泳いでる時と水から揚がった時では、まるで色が違う。あまりに安定している成分ばかりは、生物として命を保つことができないってえんだ。

難かしい理屈は色々あるだろうが、色のあるものをいただく=命をいただく・・・そんなことが、どの国にせよ医食同源の基本にあるのかもしれねえなあ。

さーて、時間がきやがった。

じゃあ、お客さん! 次回をお楽しみに!

マンマミーア・イタリアンーと来たもんだ!
全29話バックナンバー

1 マンマミーア・イタリアンと来たもんだ!

2 貧しさから生まれたイタリア料理

  3 パスタは体に良いぜ! 

4 ショートパスタは究極の外道? 

5 体にやさしいマンマの味

6 フォアグラの道もローマに通ず

7 ちょっくらヴェネチア物語を一席

8 カルパッチオは1963年生まれ?

9 どこが違う?〜ミートソースとボロネーゼ

10 パルミジャーノはチーズ界のホンマグロでい!

11 生ハムは体に良いぜ!

12 トスカーナ〜進化した貧者の豆スープ

13 野趣溢れるイノシシはいかが?

14 永遠の都・ローマ料理って?

15 アナゴのエサになったローマの奴隷

16 宇宙に飛び立つユダヤ料理?

17 PIZZAはどこから来た?

18 世界を制覇したナポリのトマト

19 王様の舌はマカロニの舌

20 「地中海式ダイエット」はイタリアの医食同源!

21 オリーブは体に良いぜ!

22 イタリア三色国旗は健康の源

23 地中海式ダイエットって?

24 良いワインは良い血を作る!

25 シチリアの郷土料理 クスクスはいかが?

26 ゲーテも愛したシチリアの大地

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