エビ太郎の部屋

エビス エビ太郎は「スイサンドンヤ ドットコム」という
食品会社の通販サイトのキャラクターとして生まれました

このサイトはM&Aで吸収合併され
残念ながら今はありませんが エビ太郎はまだ健在ですので
このHPで復活させることにいたしました!

水産人エビちゃんの奮闘記をお楽しみください♪

けっこうな分量なので 小分けにしてお読みすることをオススメします!

とりあえず30話ほどUPしました
続きはまた後日!

ここから「水産大河マンガ」から「水産ほのぼのマンガ」になってますが
両者の区別はありません

連載時系列で並べてあります 

で ここから5話からの続きになります

気にせず お読みくださいませ♪

ここで「買った時のナンピン買い」
についてご説明します

水産人のためのサイトだったため このあたりはやや専門的
お読みいただければ 興味が増すはずでが
飛ばして読んでいただいても差し支えありません

 冷凍海老などの相場商品を売り買いする時のリスクは、品質リスク・為替リスク・カントリーリスクなど色々ありますが、最大のものは価格変動リスクです。買った海老が下がってしまった、あるいは半年間同じ価格で販売する事を決めていた商品の産地価格が上がってしまって、逆ザヤの販売になってしまった、など毎日毎日胃の痛くなる思いをする担当者が多いのが実情です。誰もが少しでも安いところで買おうとするのですが、どの価格が、又何時が一番安いかは「神のみぞ知る」です。
そこで、底値に近いところを買う為に「分けて買う」ということを考えるようになりました。これは、相場の下げという難を平均化するということから「ナンピン買い」と呼ばれる方法です。
その方法は・・・

  1. ある一定期間の相場のレンヂを様々な情報から予測する。
  2. 最大でどれ位からかを決める
  3. 何回に分けて買うかを決める (通常3~6回)
  4. レンヂの中間点以下より買い始める
  5. 販売、漁期間など様々な要因より、買い付ける期間と買い始める時期を決める
  6. 買う量を予測底値にどれ位近いかと下げ幅にあわせて調整する
  7. レンヂを超えて下げるときはレンヂ全体を見直す
例)
  1. 3~9月のボタンエビの価格のレンヂを\1500~\3500/Kgとする
  2. 40t買うとする
  3. 6回とする
  4. \2500より下で買い始める
  5. 7月よりメニュー開始なので、5月~7月にかけての2ヶ月間に買う
  6. 1週間で10%切ったら2t、次の1週間で30%切ったら6tなどのようにすると、 Totalで38t買った平均コストは\1848となった。
  7. この例では予想レンヂの範囲で相場が推移した。

=買付け量=

5月
1日-2t (\2400)
15日-6t (\1900)
25日-4t (\1850)
30日-6t (\1600)

6月
3日-8t (\1580)
10日-4t (\1850)
15日-2t (\2200)
20日-3t (\2100)
30日-3t (\2100)

最初、1回目・2回目を買った後すぐに上がってしまったら、”安いところで買い損なった”と悔やむのでなく、1/5だけ、あるいは2/5だけ安く買えてよかったと考えるべきです。
その後は販売にあわせて必要分で手当てしていくことになります。最初から\2500以上で全然買いに入れないときは、買えなかったと考えるのではなく、今回は大量に買うための相場ではなかったのだ、と考えるべきです。そして、やはり販売にあわせた分だけを手当てしていくことになります。
以上が正しいナンピン買いといわれるものです。では、禁じ手の『買った後のナンピン買い』とは?!
水産に限らず商品相場の担当者が、上司や会社に報告するときに「ナンピン買いを仕掛けたので在庫が多くなってます」とか言ったり、”何故売れてないんだ?”という問いに「買い相場なのでナンピン買い中です」などの言い訳を呪文のように唱える人が如何に多いかという事からも、この禁じ手の使い手の多さを表しています。どのようなものかと言うと、

  1. ある商品を不用意に買ってしまった。
  2. 相場が下がった。上司に怒られるから、又は損を隠す為にもっと買った。
  3. 更に相場が下がった。 上司に怒られるから、又は損を隠す為にもっともっと買った。
  4. 更に々相場が下がった。 上司に怒られるから、又は損を隠す為にもっともっともっと買った。

この繰り返しの中で、相場が上がってくれれば問題なくすむときもまれにあります。
その時は結果として正しいナンピン買いと同じように見えるわけです。
しかし、相場の高値から買い始めた為,底値で折り返すはるか前で在庫が膨らみすぎて買付資金が無くなったとか、大豊漁で魚価が1/4になっていってしまった時など、(全体を把握して始めた正しいナンピン買いと違いますから)途中で破綻する場合が殆どなわけです。そして莫大な不良性在庫が残ります。 そうでない時でも成功するかどうかは正に「神のみぞ知る」。
しかし、1.での相場損を隠す為につい、この博打に手を染めてしまう人が後を絶たないわけです。そして、数々の戦死者となって業界に語り継がれる名誉を得るわけです。
この為、業界で長生きしようとしたら「買った後のナンピン買い」これだけは手を染めてはいけないと思います。(経験者より)

 

ここからいきなりインド編に飛びます

「インドのアチャールくん」の
冒頭とまったく同じネタがあるのはご了承くださいませ!

次はオーストラリアとの飲み比べ

けっこう勝手気ままに描いていたようですね

またここでロシアの話に飛びます

ここで新エピソード
問題児シーラちゃん登場です

で またちょっと変わって新エピソード♪

ここで「サカナ転がし」「ぐるぐる回し」
についてご説明します

水産人のためのサイトだったため このあたりは専門的です
お読みいただければ より興味が増すはずでが
飛ばして読んでいただいても差し支えありません

 水産の商売に限らず営業マンに課せられる売上と利益のノルマ。この厳しい状況から逃れる為に考えられたのがいわゆる「魚転がし」とか「ぐるぐる回し」と呼ばれる方法です。もちろんまともな商売とは言えず、大きな倒産事件となったり、時には社会問題になったりもします。
代表的な流れは下記のように作られる。
  1. 最低3社以上(2社だと税務署よりの追跡調査等ですぐばれる為)主に4~6社の担当者が個人的に(上司にナイショ又はワンマン社長が)約束を交わす
  2. 全員が合意の上、ある荷物を買う
  3. この荷物に、ある一定の利益をのせて順番に売り繋いでいく
  4. その途中で相場が上がったら、このメンバーの外に売る

ルールとしては

  1. メンバーから来たこの取り決め商品は必ず順番通りに買わなければならない
  2. 決済サイトは一定にしておく
  3. 相場が上がったらメンバーの外に売り、利益を分ける(分配方法は色々)

結果として

  1. 常に一定の売上と利益が出る(様に見えるだけ)
  2. 周りの相場が下がっても、このメンバーの中で品物が回っている間は損失は発生しない(様に見えるだけ)
  3. 時に相場が上がればメンバーは儲かる
  4. 品薄になりそうな時で相場がまだ低迷している時に、4~6社のメンバーがまとめて買えばある程度のマーケットシェアを押さえられる為、勝つ確立が高くなる(様に見えるだけ)
  5. 在庫の回転率が上がり、資金効率の良い状態となる(様に見えるだけ)

この1~5の中で本当なのは3だけ。これは単に「相場が上がれば儲かる」ということだから、当然の事。それ以外は全てまやかしが潜んでいる。

 ぐるぐる回し 成功例

では、この「ぐるぐる回し」が失敗するのはどういう時なのか。

  1. メンバーの1人が買付けを拒否する。(相場が下がっているのにメンバーが高い価格で買付けをしようとしているのに、そのメンバーの上司が気付き、買付けを禁止した場合など)
  2. あまりにも長く回した場合(3年以上にわたってぐるぐる回した事例もある)当然品質が劣化して、売り物にならなくなる(完全に干からびて売り物にならなくなった生ズワイガニを検品したことがあります)

このぐるぐる回しが失敗した時、メンバーに待ち受ける状態は、

  1. ぐるぐる回しが止まった時点で品物を持っているメンバーがババを引いた状態となり、巨額な損失が発生する。(損失が発生しないような状態なら回り続けるか、メンバーの環の外に売ってシャンシャンとなるのだから・・・)
例)
2,000円/kg 50t で買った数の子を4人メンバーで5%づつ乗せて3回転すると、1.05の12乗となるので、1.886倍 つまり3,771円/kgとなってしまう。この時相場が2,000円/kgのまま動いてなかったとするとババを引いたメンバーは、(2,000円-3,771円)×50t =▲8,850万円 もの損失を抱え込む事となります。まして相場が1,500円/kgに下がっていたとすると、1億1,355万円の損失になってしまう。
しかも、このぐるぐる回しでは、1つの商品を回すだけでなく複数のロットを回している手も多い。例えば、この数の子がエビ太郎の話のように(50tを1ロットとして)2ロット回っていたとすると、この回しが止まる時は損失が当然2倍となる。タコ課長は何となく危険を感じた玉さんに2ロット分100tをいっぺんに売りつけられて受けてしまったわけ。
  1. 当然このババを引いたメンバーは次に買う順番のメンバーに買取りを強く要求し、どうしてもダメな時はこの件を表に出して買い取り契約があったとして裁判沙汰などの泥仕合となる。
  2. しかし、これらのメンバー間の約束は証拠を残さない為の口約束が多く、往々にしてババを引いたメンバーの会社が損失を請け負う事になりやすい。
  3. この時に溜め込んでいた商品が換金の為一気にマーケットに放出される為、マーケット全体の相場が一気に下がる。これにより水産業界全体が相場損を発生させられる。(つまり、この回していた商品のシェアが高ければ高い程この商品はマーケットに放出されていないので適性な相場が形成されていなかった事になる)
  4. このババを引いた会社が倒産する事により、銀行の水産業界に対する与信を含めた信用が低下する。このように「ぐるぐる回し」「魚転がし」は、当のメンバー達だけでなく水産業界全体に悪影響を与える。この為絶対してはいけない禁じ手である。しかし、ノルマに追われれば営業マンがここに述べたような方法ではなく、もっと手の込んだ方法で起こす事件が後を絶たない。
    実は、銀行・証券業界で問題となった「とばし」も内容はほとんど同じ。
 ぐるぐる回し 失敗例

つづく・・・