生まれと平等〜黒田家ご当主のお話を聞き・・・


7月初旬に行った七戸町のグリーンツーリズムでニンニク収穫を体験したものが、送られてきました。泥だらけだったニンニクがこんなにきれいになって・・・

日曜日はお頭さんのお誘いで、古くから赤坂にお屋敷を構えていた黒田家ご当主・長高氏の講演会を聞きに行きました。

題して「黒田家お殿様の明治・大正・昭和」です。

黒田家というのは、筑前福岡藩のご当主。
あの信長、秀吉、家康に使えた軍師・黒田如水公(黒田官兵衛)をご先祖に持つ名門。
江戸では今の赤坂2丁目一帯にお屋敷を構えていたそうで、ご当主は今年還暦を迎えるということでしたが、さすがに名門の出。自分を大きくも小さくも見せようとしない自然体なかまえは名家がかもしだす風格を感じさせました。

当然、私より先輩に当たりますので 、お話の中にはこちらの知らない赤坂を聞くことができて、「ああ、意外に自分が住んでるところを知らなかったな」と思った次第。

聞き手の司会の方もご当主から流暢に話を引き出し、なかなかのもの。
2時間、興味深くお話を伺えました。
 
ただひとつ、気になったのがその中で、進行役の方がしきりに「赤坂中学でも黒田家のご当主は、まったく平等に扱われた」「同等だった」ことを、けっこうな回数で繰り返したことでしょうか。

もちろんご当主はご家庭でも「これからは華族とかいう時代ではない」と、そのような平等教育を受けていたようで、それ自体は素晴らしいことであるのですが。

黒田家のご当主ともあろうお方が、家の中でも「庶民と同じ教育」だったはずはありません。

そんなにムリに同じだと強調して、どうするんだという違和感は感じました。
(黒田家の人だからこそ、赤坂の住民が大勢集まって話を聞きに集まるわけでして・・・) 。

以前、どこかの放送局で言葉が喋れない障害者を取り上げた番組があり、その人のクローズアップの場面に「ぼくもきみも、みんな同じなんだ。そう言ってるように思えました」なんてナレーションが入ったのに、やはり違和感を覚えたことがあります。
(言ってないだろうって)。
おそらくは、その司会者の方は純粋にその平等教育が素晴らしいと強調したかったのでしょう(年齢的にはご当主に近いので、おそらくは戦後教育をいちばんフルに受けたことが出ちゃったんでしょうね)。
黒田家のご当主になるべく生まれてきたというのは、天から与えられたものであります。努力して得られるものではありません。
長高氏にしても(誰でも)自分でそこに生まれようとして、この世に生を受けたわけではありません。
天皇陛下だって、皇室に生まれようと思って生まれたわけではありません。
逆に言えば、障害者の人も同じことで、ハンディキャップを持ちたくて生まれてきたわけではありません。
そもそも生まれた時点で人間は不平等・・・というか、同じであることはありえません。その人が持つ、元から持つ環境や能力を活かせるようにするのが「平等の役割」だと思えるのです。
結果の平等というのは、「ただの横並び」にすぎませんからね・・・。
表参道「ねぎし」のタンとカルビの麦とろ定食。久々にマリナ・リナルディのスタッフと一緒のランチでした♪
平等は「役割」であって、「結果」にしてはいけないと思います。
そろそろ、学校教育も「人間はもともと平等ではない」ことを教えないといけませんね(事実ですから)。
加えて、上に上がったら、それなりにもっと大変なことも教えた方がいいかな。
上に上がってないのに言うのも何ですが、楽をするための「平等」が、かなりの割合で日本の競争力をそいでいるように思えます。
↓ こちらはわたしが描いた「るるぶ」掲載の赤坂の絵地図。
ミッドタウンもサカスもできる前の地図であります。
 
赤坂も変わっていくわけだ。

生まれと平等〜黒田家ご当主のお話を聞き・・・” への10件のコメント

  1. マスオさん、こんにちわ。

    >こちらはわたしが描いた「るるぶ」掲載の赤坂の絵地図。

    これ、当時「るるぶ」を買って、1部カラーコピーして、使ったことあります。
    ご容赦を。

    >そろそろ、学校教育も「人間はもともと平等ではない」ことを教えないといけませんね(事実ですから)。

    熱力学的に言っても、差が有るからエネルギーが在る訳で、
    だから宇宙(人の思考も含む)はダイナミックに躍動しています。
    全て平等に成るということは、宇宙の死です(いつか来るのかなあ?)。
    とまあ、大言壮語しましたが、非平等ですね、この世は。
    ご主意、ご尤もかと存じます。

    然し、お殿様は、らしかったですね。
    しゃべり方、アッシら下衆には演じられない風格だわいと聴いていました。
    ご自身で買いに行ったとか言われた魚屋は、アッシの同級生です。
    しょっちゅう、こいつとバカやってました(庶民だもん)。

    また、言っていいのかなあ、お殿様の悪たれ同級生に拠れば、
    あいつ、よくそんなこと(今回の)するなあ、
    ですと???
    ここが、違うんでしょうなあ...。
    更に勝手に想像すれば、そういう気の置けない悪たれと遊ぶのが、
    お殿様には気が楽だったのかも知れません、
    貴と賎、バランス取ってたのかな、ナンチャッテ。

  2. えっへへ~こんな時間に失礼します。

    横ですがお頭さん、
    >また、言っていいのかなあ、お殿様の悪たれ同級生に拠れば、
    あいつ、よくそんなこと(今回の)するなあ、
    ですと???

    そんな方だからこそ、学生時代の友達はきっと宝物なんでしょうね。
    素のままで付き合ってくれる友達はかけがえのないものなんでしょう。
    大人になってからの知り合いはやはり、「ああ黒田様の…」って壁というか何と言うか、みんな弁えちゃいますものね。
    「素の付き合い」しか判らない庶民の私は今一つピンと来ないんですけど。

    司会の方の育った世代、私の世代にも少し残ってましたが
    まだまだ前近代的な身分意識が強かったんでしょうか。
    学校じゃ「人はみな平等」と建前を言われつつ
    世間では、生まれながらに人には身分の上下があると
    ひしひしと感じた最後の世代なのかな、そのせいで「平等」「平等」と繰り返すのかな、とも思いました。

    大学生の頃、サークルで同じだった「地方の名家のお嬢さん」とやらが、同じ高校から来てた男の同級生に常日頃、物凄く上から目線で話してて、相手も怒りもせずヘイコラしてたのに驚いたことがあります。
    「いやあ彼女は、すごく良い家のお嬢さんだからねえ」って。
    秀吉からの古文書が代々伝わるって言うんだけど武士でもなく、いまやただの市民なんだけど。

    でも画伯が言うとおり、「平等」は機会の平等を保障する、という程度で良いと思います。結果は、努力次第よね。

  3. お頭さん、おはようございます!

    >当時「るるぶ」を買って、1部カラーコピーして、使ったことあります。

    どんどん使ってくださいませ!

    >そういう気の置けない悪たれと遊ぶのが、
    >お殿様には気が楽だったのかも知れません

    そうだと思います。
    「王子と乞食」じゃありませんが、下々の気楽さというのはありますからね。

    名家の方というのは独特の雰囲気がおありですが、まさにそういう感じでしたね。

  4. かなこさん、おはようございます!

    >生まれながらに人には身分の上下があると
    >ひしひしと感じた最後の世代なのかな、そのせいで「平等」「平等」と

    その辺でしょうね。
    わたしは小学校1年の時に担任の先生に
    「あなたたちはみな同じなのです」と言われてびっくりしたことがありました。

    家に帰って母にその話をしたら
    「そんなワケないでしょ!」と一蹴され、わけがわからなくなった覚えがあります。

    >「いやあ彼女は、すごく良い家のお嬢さんだからねえ」って。

    そういう時に「平等」は良い言葉ですな。
    関係ないもんね。

  5. かなこさん、こんにちわ。

    >素のままで付き合ってくれる友達はかけがえのないものなんでしょう。

    ですねー。アッシら同士の身分だと、それは意識してませんねー。
    お殿様、否、若君様には庶民は新鮮だったのでしょう??

    マスオさん、ご近所で昔々黒田家に遊びに入った、という方がいましたよ。
    正直言って、スゲー家(屋)だなあ、とは思わなかったそうです。
    黒門も、印象に記憶に残っていないとか???
    うーむ、出入口は沢山在ったのかな?
    あと、家の中は、棚も壁も、鳥類の標本と書籍で一杯だったそうです。
    学者の父上をお持ちの方、といっても専攻で違うのでしょうが、
    ここんちはなんなんだ?、というのが初訪問の感想だったそうです。
    そして、今のようなイジメじゃないけれど、
    若君様がピンチの時、遊び仲間で庇ったそうです。
    これはお互いの、血、でしょうか?

    あと、実は奥様が囁いたいたのですが、もうちょっとヤンチャな一面が有るのニィ、と。
    うーむむ、聴きたい。

  6. またまた横ですが、お頭さん。
    あ〜山階鳥類研究所の黒田さんかっっ!
    思い出しました。
    ご先代かな?ヘアスタイルがタワシスタイルだった黒田さんか…
    新卒で入った会社の相談役が山階の関係者でしてついでにバラすと馬場馬術の法華津選手の父上ですけど
    彼がらみでアマタの華族のお坊っちゃまが
    相談役のオフィスに来てたんです。
    あの黒田さんのご子息さまでしたか。

    想い出がたり、すみませんでした。

  7. かなこさん、こんばんわ。

    >あ〜山階鳥類研究所の黒田さんかっっ!
    思い出しました。

    ピンポーン!!!
    その方、現当主の父上様です。

    たっ、タワシ、ですかあ!?(微笑)
    でも、それも如何にもかと。

    アマタの華族って、家族的なんですね???
    マスオさん、お先にスミマセン。

  8. おはようございます。

    赤坂マップ、じつにすばらしい。昭和自転車に乗って散策したくなりました。
    拡大写真を見ると、ケント紙に透明水彩で描いているのですか?
    特に文字はどんなペンを使っているのでしょうか。

    現在、自転車で動いていますが港区って新橋や神谷町辺りに区営の駐輪場が無いみたいですね。その事実を知って驚きました。

  9. お頭さん&かなこさん、おはようございます!

    すっかりレスが遅れて失礼いたしました。

    わたし、まとめていっぺんにレスはしない主義なんですが、
    お二人で盛り上がっていたようなので、今回は一緒にしようと思います。

    遠慮なさらず、コメント欄で会話してくださいってけっこうなので、
    よろしくお願いします。

    >あ〜山階鳥類研究所の黒田さんかっっ!

    世の中、妙なところでつながっているものですね。
    しかも馬術の法華津さんともつながりがある??

    なんかよくわかりませんが、続きもよろしくです!

  10. 正ちゃん帽さん、おはようございます!

    これまたレスが遅れて失礼いたしました。

    >拡大写真を見ると、ケント紙に透明水彩で描いているのですか?
    >特に文字はどんなペンを使っているのでしょうか。

    ケント紙ではなく、ファブリアーノ・クラシコというイタリア製の水彩紙にご指摘の透明水彩を使っています。
    ペンは普通のインクにペンですね。

    久々に自分の描いた地図を見ましたが、掲載した店の半分以上が撤退したり引越しをして、もはやタウン情報としての意味はありませんが、自転車で散策するなら問題ありません。

    どうぞお使いになってくださいませ。

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