また聞きの居酒屋談義ですので、話半分におつきあいください。
今、山崎豊子原作の映画「沈まぬ太陽」が話題を集めていますが、
昨日、火曜会の帰りに私の親友Kくんと一杯やった時、
彼の父が、渡辺謙演じる恩地元のモデルになった人を
よく存じ上げているという話になりました。
小倉貫太郎(故人)といってJALの日共系組合の委員長をしていた人だそうです。
関係者の中では有名な人でした。
Kくんのお父さんは東大を卒業してから左翼運動に走り、
共産主義に失望し決別した後、経営コンサルタントになったという経歴の方で、
小倉氏の先輩だったといいます。
Kパパに言わせると、小倉氏はえらい二枚目でアタマの切れる人だった。
(とにかく女性にモテたそうですわ)。
話も上手、仕事もできる、人望も厚いという、何拍子もそろった人だったが、
ゴリゴリの左翼系だったので、レッドパージの時代でなかなか就職ができませんでした。
それがある人の紹介でJALに入社することになったのですが、
”決して労働運動をするな”という条件つきでした。
それにもかかわらず労働組合からの誘いがあったのか、彼が勝手に条件を反故にしたのか、
けっきょく組合の委員長を務めることになったのです。
ただ、小倉貫太郎氏は強烈なリーダーシップをとる人でもなく、
人を取り込む術に長けていて、一部の社員からは人望が厚かった。
そりゃ、労働条件を良くしてくれる人なら、社員にとっては有難いですからね。
反面、それは経営者サイドから見れば厄介な人物であるといえます。
小倉氏がアフリカに飛ばされた原因というのも、そこにあったようです。
(あ、それは原作と同じか・・・)。
ただ、今のJALの状態は、もちろん経営者の放漫にあるわけですが、
労働組合が8つもできるなど、
小倉氏が会社をかきまわしたことも原因のひとつだったろうと、Kパパは言っているそうです。
すぐれた人間は毒にも薬にもなるといったところでしょうか。
どのくらいがフィクションなのか、そうでないのかは意見が分れるところですが、
それはそれとして「沈まぬ太陽」は見るのが楽しみです。
来週あたり時間を作って行きたいところダナ。
余談ながら、小説と違い小倉貫太郎さんはアフリカで客死されたとのことでした。
画像は映画とまったく関係ありませんが、次回の個展に出品する私の作品です。