『ブギウギ』黒澤明・作詞のジャングル・ブギーが登場〜傷痍軍人や靴磨きのおじさんたちが大勢いた昭和の風景。

▲こちら四十路前後の作品ですが、存命だった昭和2年生まれの父が「なつかしい景色だ」と言ってくれました。

本日の『ブギウギ』、なかなか良い回でした。

草彅剛さん演じる羽鳥善一先生がいう「こだわりのある監督でねえ」というのは、黒澤明監督のことですね。
映画『酔いどれ天使』の劇中歌で出てくるそうですが、今度久しぶりに見てみよう。

黒澤明・作詞、服部良一作曲というジャングル・ブギーを見ていて、子供の頃に見た上野駅を思い出しました。

私が物心ついた子供の時分の昭和40年代はじめ頃、駅には傷痍軍人や靴磨きのおじさんたちが大勢いました。
アコーディオンを弾いている傷痍軍人に「かわいそうだから、お金あげようよ」とせがむ私に、父は「ああいう格好をしているだけなんだ」と、たしなめられたのをよく覚えています。

上野にかぎらず、駅には靴磨きも多かったですね。

赤塚不二夫先生のアニメ『おそ松くん』に、靴磨きの少年が出てくる人情話があって号泣したのを覚えてます。ギャグだと思って見てたら、違った話だったのですが、はからずも幼い少年は感動しちゃったんですね(笑)。

感動のあまり、父母に「ボク、将来は靴磨きになるんだ!」と言ったところ、なんとも微妙な顔をされたのを覚えています。まあ職業に貴賎なしなんですが、親としては喜ばしくなかったんだよね。

良くも悪くも昭和は混沌の時代でした。

公衆トイレや駅のトイレは汚かったし、紙もなかった。
ヤクザがそこらにいましたし、暴走族も闊歩して、わがもの顔でした。
交際費は会社からいくらでも出た(私は知らんけど)し、政治家は赤坂の料亭で密談をしていた。
「8時だよ、全員集合」は毎週、親御さんから鬼のような抗議電話があったけど、それで放送中止になることもなかった。

なつかしいとは思うけど、戻りたいとは思わないかな。

ただ、あの時代にあった攻める気持ちは、今からだこそ持とうと思うこの頃です。

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