年を取って失うものと、年齢を重ねて、できるようになるもの〜人生はまだまだ続くのです。

砂時計の砂は最初のうちは減っていることに気づかない。
砂がなくなったことに気づくのはおしまいの時だ。

これは映画『ヴェニスに死す』で、老境についた主人公の音楽家アッシェンバッハの言葉です。
私は母が存命で元気でいますから、強がりでなく、このセリフを深く理解したわけでありませんが、それでも年齢と共に落ちてきた能力があるのは実感します。

というのも、自分より10年くらい年下の人で、「能力が落ちた」「できなくなった」という言葉を聞くことがあるので…「ありゃ、自分はどうだっけ?」と考えるようになりました。

絵に関して言うと、ここ10年くらいは視力が少し落ちたため、その分、細かい作業が辛くなりました。また絵を描く持久力も落ちたので、30代40代のように大きな絵を隅々まで描写することをしなくなりました。

▼これは四十路前後の作品。同じものはもう描けないな。

一方で、年齢とともに出来るようになってきたものがあります。

年と共にできるようになるのは、何と言ってもサボる力です。
いや、サボるといってはいけませんね。

効率よく手を抜く能力でしょうか。

会社でも企業でも出世する人は、 意外とこの能力に長けている人が多いようです。
まあ、無駄なことはしないと言えば良いのでしょうか。

▼最近ではこの仕事。

奥田シェフの海外進出にともなう、オイル寿司のロゴですね。
私にしてはシンプルにデザインしましたが、これだけの図柄にけっこうな数のパーツをちりばめています。

特に最近では料理のイラストでは、皿と肉などの具材、香味野菜、スパイスなどを別々に描くようにしています。
それが料理の手順にも合っているので、本物に近いテイストができるというわけです。

まだ、そのイラスト…公開できないのですが、そんなことを日々思う次第です。

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