「ゴッホ展〜巡りゆく日本の夢」行きました!

来年の1月8日まで開催中の「ゴッホ展〜巡りゆく日本の夢」行ってきました!

空いているという話だったゴッホ展ですが、午前中10時過ぎに着いたところ、けっこうな行列。東京都美術館のメイン会場は入り口が狭いってこともあるのですが、ちょっとした混雑です。
でも、昨今数多く開催されているゴッホ展にしては平常運転の混み具合かな(笑)。

海外国内ともゴッホは相当数見てきたので、時間がなければ見逃しも仕方ないかなと思いましたが、友だちの強いオシがあったのと、先月に映画「ゴッホ〜最後の手紙」を見たこともあって、年末のせわしい時期に出かけたというわけです。

結論から言うと、素晴らしい展覧会でした。
オランダのファン・ゴッホ美術館と共同のプロジェクトということもあり、あらためて、あまり知られていなかったゴッホの側面にスポットを当てたという感じです。

展覧会のタイトルにもあるように、テーマは「ジャポニズムとゴッホ」。
これに尽きますが、こじつけではなく、ゴッホのどの絵とどの絵が、日本の浮世絵と関わってきたのかが、時系列で並べてあります。

その結果見えてきたものに、ゴッホの心情の変化というものがありました。

まず、ゴッホが日本に興味を持ちはじめ、病膏肓になる……いや、ゴッホの日本マイブーム時期とでも申しましょうか。
丁度、1987〜1988年頃(自殺する2〜3年前)、大量に描かれた作品群が、意外な明るさと輝きを放っていたのは驚きでした。

ゴッホといえば、あの炎の自画像やひまわりが真っ先に思い浮かびますが、同じ黄色にしてもそれが不思議な幸福感と生命力を持っているのです。

ゴッホの手紙の中にも日本への憧れを綴っているのは有名ですが、そんな憧憬の気持ちが絵の中に満ちあふれていているのです。

それが、ある絵をきっかけに狂気の世界へと突っ走る感じになっていくのです。

↑ 上のパンフレット9番、有名なゴッホの住んでいた黄色いベッドの部屋をご覧ください。

きっかけはこの絵から……。
いや、この絵まではゴッホの絵にある種の幸福感があったのですが、この部屋にやってくる、ある共同生活者との生活から彼の絵は変わるのです。

言わずと知れた共同生活者の名は、ポール・ゴーギャン。
絵はゴーギャンが来る前、その生活を楽しみにしていた頃のものだそうですが、いざ生活がはじまると当然ながら二人の仲は決裂。
有名な耳切り事件もこのあとです。

この時期をきっかけに、1889年からゴッホの絵はガラリと変わります。

あのウネウネした筆さばきはこの頃から、ますます歪んできて、絵に苦しさがハッキリ出てきます。ああ、あのゴッホの映画が異様に疲労したのも、このウネウネのためだったのかもしれません。


↑ ガシェ医師の肖像 (1890年 Wikipediaより)

日本に憧れたゴッホですが彼の死後、日本人が早くからゴッホに関心を持っていたのは意外でした。明治から大正時代という、その昔ですね!

日本人のゴッホ好きは昨日今日じゃないというわけです。

中でも、日本画の橋本関雪が彼の地を訪れ、ゴッホの治療にあたりあの絵のモデルになったガシェ医師と会う、貴重な八ミリフィルムには興味津々。

ガシェさんは絵よりずっと穏やかな感じの方なのもびっくりです。
見た感じだと、ずいぶん親身になってゴッホの治療に当たっていたのかなとも思いました。

先日行って来たポーラ美術館所蔵の絵も1点あり、さすがに良いものをお持ちで、という感じでした。まだ穏やかで明るい頃のゴッホ作品で、ポーラ美術館の好みも反映されいるなと思いました。

ともあれ 「ゴッホ展〜巡りゆく日本の夢」一見の価値あり。
まだの方はぜひ足をお運びくださいませ。

 

「ゴッホ展〜巡りゆく日本の夢」行きました!” への2件のコメント

  1. 画伯
    来年行ってみたいと思います。
    良いお年を!

  2. みふ蔵さん、こんにちは!

    ぜひ行ってください。
    8日まで、大晦日から2日までは休みですので、
    チェックしてください。

    それでは、良いお年を!

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