「ゴッホ〜最後の手紙」見て来ました。
油彩画で制作した世界初のアニメーション、それもゴッホの油彩作品が動くとあって見てきました。見た感想、結果から申し上げましょう。
1、ともかく一見の価値はある。
みなさま、油絵が動くなんて見たことがあるでしょうか。
日本人の女性画家1名を入れて、100人ものアーチストが不眠不休で絵を描いたゴッホ風の油彩がアニメーションで動くさまは、 まさに圧巻!
ともかくも一見の価値はあります。
2、とにかく疲れる。見る人は体調を整えてから見ることをオススメします。
静止画でもすごいインパクトのゴッホ作品が、ウニウニ動くさまを見るのは、それだけ疲れます。
全編90分くらいのアニメーションとしては平均的な上映時間ですが、先日見た「ブレードランナー2049」の3時間より疲れました。
個人的感想とする、びっくりするのは最初の5分で、そのうち慣れてくると、だんだん見るのが辛くなってきます。
顔のクローズアップで、ゴッホ風のタッチがチラチラする様子は、30分でちょうどいいくらい。興行的にそうはいかないのでしょうが。
また、このプロジェクトに参加した100人の画家たちの情念のほとばしりが凄すぎて、胸が締め付けられるほどです(物理的に)。ゴッホの魂が乗り移っているので、当然といえば、当然ですしょうね。
3、話はそんなに面白くない。何度か寝ました。
ゴッホの現存作品をもとに、話を展開させていく形式なので、脚本の自由度が少ないようです。回想形式になっていて、実物の俳優に一旦演技をしてもらい、その上を油彩で描いて行くというダイナメーションの技法を用いています。
そのためか話もなんだか窮屈で、イマイチ面白くない。
ミステリー仕立てにしてますが、そこもちょっと無理がある感じでした。
もっとも、見る前に予想していたのは、手間のかかった駄作ではないかと覚悟していたので、条件の拘束が多い中で、よく作ったのではないかと感じました。
それにしてもゴッホ自身は辛い人生だったろうなと、ちょっと気の毒に感じました。
精神病院にも無理矢理入れられたようですが、当時の治療なんかひどかっただろうから、かえって悪くなったのでしょう。
絵というのは、自分の内面に棲んでいる怪物を吐き出す意味があって、精神治療などでそれが取り入れられることもあるほど。
ゴッホは絵を描くだけでは足らないほど、心の中に変な生き物がいっぱいいたのかもしれません。
ゴッホの自殺は、拳銃で自らを打ち抜いたのですが、映画の中のセリフにもあるように、普通は頭部か心臓を一思いに撃ち抜くのですが、彼は腹部を撃ったので、しばらくは生きていたようです。
生きる未練があったのかもしれませんね。