広島市内に到着したその日、かねてから行きたかった「みっちゃん」に行きました。
ちなみに広島で「お好み焼き」と言えば、そばが入ったもので、あれを“広島風お好み焼き”とか“広島焼き“というと、市民に微妙な顔をされますよ。だって、広島市民にとって、あれがお好み焼きスタンダードなんですから。
ボロネーゼをボローニャ人は「ラグー」と呼び、ジェノベーゼをジェノヴァ人は「ペースト」と呼びます。
明石焼きを明石民は「卵焼き」、さつま揚げを薩摩っぽは「天ぷら」と呼ぶように、その地のスタンダードな食べ物に地元民は、自分のところの地名を決してつけません。
だからそば入り(あるいはうどん入り)が広島の「お好み焼き」で、“広島風”なんてついてる店はニセものというわけですね。
そういえば行く前、妻に 「広島で牡蠣入りのお好み焼き、食べたことあるよ。美味しかったよ」と言ったら、「広島の人は、お好み焼きに牡蠣なんか入れないよ。なんで別々に食べないの?」と一蹴されました。
よくよく話してみたら、私が牡蠣入りお好み焼きを食べたのは観光地で有名な「お好み村」で、現地の人はあまり行かないそうです。
牡蠣を入れた方がお金取れるというのもあるんでしょう。
さて、今回の「みっちゃん」ツアーですが、これは私の強い希望によるものです。
妻「え〜、お好み焼き。別にみっちゃんじゃなくても良いよね」
私「みっちゃん、美味しくないの?」
「そんなことはないよ。美味しいけど、高いし並ぶから地元民は行かないんだよ。それより近所のひいきのお店に通うよね」
「美味しいなら行こうよ!
私、みっちゃん食べたことないから、お好み焼きの基準がわからないもん。みっちゃん、行きたい!
みっちゃん、みっちゃん。みっちゃん!」
妻も義母も、最初は別にみっちゃんでなくてもという良いという感じでしたが、私の熱意に折れ、付き合ってくれました。
さて、東京にも支店のある「みっちゃん」ですが、実は「総本店」「新天地」「いせや系」という3つの流れがあるそうです。
このうち「みっちゃん総本店」は井畝(いせ)満夫を創業者とする、一番メジャーな存在で、「いせや系」もその流れを組むそうで、私たちが行ったのは「みっちゃん総本店じぞう通り店」でした。
「新天地みっちゃん」は姉妹ではじめた支店を持たないお店で、総本店とは何の関係もないみっちゃんなんだとか。
みっちゃん総本店じぞう通り店は、行列はしていたものの、待つこと15分ほど。
店内は活気があり清潔そのもの。店員さんの応対も丁寧そのもので、大変好感が持てるものでした。
肝心のお好み焼きは、焼きそばがカリカリで中がフワフワ。
たしかに、この食感は他のお好み焼きでは 味わったことのないもの。
楽しいし、美味しいし、言うことなしですね。
もともと、みっちゃんは「美味しい」というので、広島県民が並んでいたお店ですからね。行った甲斐がありました!
大満足のおのぼりさんでした♬