昨日の日曜日は、サントリー美術館「よみがえる正倉院宝物・再現模造にみる天平の技」展を見に行きました。
なんだ模造か、とあなどるなかれ。
最新の科学技術で素材や技法を研究し、人間国宝や名だたる職人たちが総力を挙げて再現した究極の伝統工芸なのです。
私は当初レプリカと聞いて、この展覧会のために職人たちが正倉院の宝物を再現したのだと思い込んでいましたが、なんと明治時代からはじまった模造制作の流れと聞いてびっくり!
「模造」という言葉にだまされてしまいますが、これは天平と令和という、伝統工芸を通じての技術や文化の伝承なのです。
トカナさんの記事はこちら。
展覧会の最後に人間国宝ら、制作した方々の名が連ねてありましたが、いずれも故人になっていたのが衝撃でした。
それだけに展示されている工芸品のオーラというのが凄まじいのです。
螺鈿紫檀五弦琵琶の楽器の装飾、仏具、染織、鏡などの装身具、刀、筆など、いずれも天平の職人に恥じぬよう、職人として一世一代の仕事をしているのが素晴らしい。
もっと軽い感じの展示かと思っていましたが、とんでもありません!
まさに必見の展覧会に違いありませんが、それなりに体調を整えて見に行くことをおすすめいたします。
作品はすべて撮影禁止というのも納得ですね。