昨日、「ガスや石油ヒーターはエコじゃないの?」という問いをしたところ、虹色社の山口代表からコメントが書かれました。この方面には詳しい方なので、納得いくところも多く、コメント欄だけで留めておくのはもったいないので、記事にしてアップいたします。
以下全文です。
昔・・・太陽光発電の仕事してるときには講師役で・・・この問題をよく話したもんです。実際突き詰めるとものすごく難しい問題が山積で一口には言えないですねぇ・・・。
一般家庭で一番エネルギーを使うのって・・・実は給湯なんだそうです。給湯に関して言うならば、ガス給湯(プロパンガス)と比較するとエコキュートっていうヒートポンプ式の貯湯給湯器の電気代は3分の1と言われてます。暖房はどうかって問題っすけど・・・東京ドームのやつはガスエンジンにヒートポンプの組み合わせみたいですね。つまりエアコンをガスのエンジンで動かしてるって感じ。
日本はなんで電化をすすめるかって疑問ですが・・・こりゃー、大規模インフラを一本化できるってのが最大のメリットです。
元がガスであれ原子力であれ石炭であれ、はたまた太陽光でも風力でも・・・電気に変えちゃえばいいという考え方です。全体の設備は多分強力に節約できます。
加えて・・・最近は石炭火力が見直されてます。実際日本は、火力発電所のタービンの効率は世界一。実に熱効率70%とかとんでもない値を叩き出すバケモン作ってます。ちなみに、蒸気機関車の熱効率はおよそ3%と言われていて・・・燃費の悪さじゃトップ爆走の機械です。
しかしです・・・問題は人が使う道具だってことです。効率だけなら電気が総合的に一番いいと思いますが・・・ガスの暖かさとか石油の利点とか・・・やはり蔑ろにできない点もあるわけで・・・とても難しんです。特に家庭内のエネルギーの問題は一筋縄じゃ行きません。
ガスコージェネレーションとかも一時はやったなぁ・・・。調べれば調べるほど難しいっすよ。
そーいえば、ガスエンジン冷房のメリットはね。エンジンで出てきた排熱をその場で再利用できるので、総合的に効率が良くなります。コージェネって考え方です。
東京ガスでエコウィルって製品が家庭用で発売されてます。ホンダのガスエンジンとノーリツって風呂釜メーカーが共同開発したおもろい機械っすよ。
問題はガスも石油もほぼ輸入。石炭はその気になれば日本でも採れるわけで・・・。太陽光、風力、地熱も国内生産品でまかなえる・・・かもしれない
化石燃料が簡単に良い悪いとは言い切れないと思うのですが、山口さんの文中にもあるように、「日本の火力発電所のタービンの効率は世界一、実に熱効率70%」と言いますから、小泉大臣がネガティブな意味で受賞した化石賞などは、政治的な意味がほとんどと考えて良いでしょう。
環境問題というのは、すでに30年以上前からさけばれてる話ですが、その30年前には割り箸や紙でアマゾンの森林が破壊されている、などというスローガンがありました。
それが今になって、「ストローをプラスチックから紙に変えよう」などという話は、いったい環境問題の本質がどこに行ったのかわからない話です。
30年前は紙がダメだったのに、じゃあ何で今になってプラスチックから紙に替えようなどと言われても、正直なにが正しいのかわかりません。
これは一部の環境問題がファッションでしか語られないことに思えます。
かく言う私も会社員時代、「エコ」と言って、廃盤になったA4サイズの紙の商品の裏紙をコピー機に入れていて、当時の社長からものすごくイヤな顔をされたことがあります。若かったなあ(遠い目)。
本当にスーパーなどのビニール袋が環境に良くないのかと言うと、これも山口さんが言うように「難しい」としかないように思えます。
よく戦争の原因はエネルギーと宗教の2つしかない、などと言われます。
言い換えると、使用するエネルギー(資源)のイメージを何処が、どうリードしていくかというのは、武器を使わない静かな戦争かもしれません。
自分の国で使う資源やエネルギーをどうするか、難しい話ではありますが、最終的には他人や他国にあれこれ干渉されることではありません。日本は資源がない国なのですから、そこはしっかり考えていきたいところですが、みなさまは如何お考えでしょうか?