今回の旅の目的のひとつが洛北にある上賀茂神社でした。
1年半前に京都へ行った時に下鴨神社に立ち寄ったのですが、その時に次回は上賀茂と決めていたのです。
なんでも京都で最も古い神社だそうで、その由来は…ややこしいので、ご興味ある方はこちらをご覧くださいませ。
日も落ちはじめ、あらかじめチェックしていた上賀茂神社そばの萬川(まんかわ)さんで食事を取ることにしましたが、行ってみたところ「本日貸切」とのこと。
落胆するも、ダメもとで電話してみようと、お店の前でかけてみると、相席でよろしければ大丈夫ですとのお返事が!
程なくお店に入ると、大きなテーブルに人が囲む形になっていて、これはどうやっても相席になりますよね(笑)。
最初の1杯は佐々木酒造のお酒。俳優の佐々木蔵之介さんのご実家だそうですが、さすが大酒飲みに恥じない良いお味です♪
上の写真、堀川ごぼうに鹿ケ谷かぼちゃ、えびいもを使ったおばんざいが挨拶がわりに出てきます。最近の店で出される京料理は濃い味になったと言いますが、こちらは素材の味を十分に引き出す、上品なお出汁の薄味です。
その蕪らを使ったサラダ。ピンクペッパーを使ったセンスが光ります。
えびいもの唐揚げです。抹茶塩などで頂きます。
賀茂茄子の煮物です。テーブルにお酒の跡が写ってるのは見なかったことに(笑)。
いや、まさに京料理…というか、京都の家庭で食べられていたお味と言いましょうか。個人的に思い出したのが、この薄味とは真逆のナポリのアパートメントでいただいたマンマの料理です。あれは容赦のない塩味だったけど、なにか子供の頃に食べたような懐かしさを覚えるお味でした。
よくその土地の食材を頂くと、その土地の情景が浮かぶということを聞きますが、まさに萬川さんの料理はそんなお味でした。
ひとつ心が痛んだのは、貸切と聞いて空席があったのは、6人も無断キャンセルが出たということでした。
おかげというか、私たちは前橋からお越しになった、気持ちの良い方たちと同席して友達になり、無断キャンセルをするような6人組と会わずに済んだわけですが…ご主人はちょっと悲しそうでした。
「もう電話しても出ませんからなあ、仕方ありませんわ」
店が被害を被る無断キャンセルですが、ヨーロッパなどはホテルを予約する際にカード番号が必要だったりします。今後はそのようなシステムを導入していくことが肝要かだなあ。
ともかく、こんな素晴らしい料理の食材をムダにする輩は、飯を食う資格がありません。きっと、これから食べ物に不自由する時が来るでしょう。
ともあれ上賀茂神社あたりに泊まる時は、萬川さんの料理をおススメいたします。
その際、予約を忘れずに。