アルチンボルド展を堪能した後は、常設展を久々に見てきました。
西洋美術館は物理学者だった父が、科学博物館に連れていったついでによく立ち寄ったミュージアムで、子どもの頃から何度となく見てきました。
親父は私を学者にしたくて科学博物館に連れて行ったのでしょうが、けっきょくついでに行った美術方の道に行ってしまったような・・・(笑)。
ただ、父は美術もそれなりによく理解していたようで、印象派がなんたるか、キュビズム(立体派)がなんたるかを、幼い私にもよくわかるよう説明してくれました。
↑ 上のルノアール作品、”アルジェリア風のパリの女たち”を見ながら
「さすがは画家だ。あの帽子の位置と青色が絶妙だ」と聞かされ、(なるほど、そんなものか。では、ボクも描いてみよう)なんて生意気なことを思ったのを思い出しました。
↓ いやいや、そう言ったのは同じルノアール”帽子の女”だったかな??
あんまり前なので、記憶が定かでありません(笑)
この絵は久々に見ましたが、こんなに色鮮やかだったかなあ?
修復したのかどうか、会場の係の人に聞いてみましたが、よくわかりませんでした。
西洋美術館は2009年に開館50周年記念でリニューアルしたそうですが、美術館自体は意外に歴史が浅いというか、私が子どもの時分に行った時は、まだ出来てそう間もなかったのですね。
年齢がわかっちゃいますが(苦笑)。
西洋美術館のはじまりは、川崎造船(現在の川崎重工)の創始者、松方幸次郎の松方コレクションによるもので、大正初期から昭和3年頃までに集めた美術作品が中心だそうです。
だって、印象派のコレクションだって、下世話な話・・・ルノアール1点で数億、10数億というシロモノです。今じゃとても買えない作品ばかり♡
戦後、サンフランシスコ平和条約によって返還を求められた際に、日本にフランス美術館を作ることを条件に、わが国にとどまることになったそうです。
その際に国立フランス(仮称)の建築設計者としてル・コルビュジエ氏を招聘したのが、現在の西洋美術館の建物だったわけですね。今や世界遺産にも登録されてめでたし、めでたし!
このコンクリート打ちっぱなしの建築は、子どもの頃から好みじゃなかったのですが、世界遺産は中身の美術品を含めてのことですね。それならよくわかります(意味なく上から目線) ♪
西洋美術館の創設年を見ると・・・をををを!
ななななな、なんと同い年じゃありませんか!
子どもの頃と違うのは、最近の傾向でフラッシュなしなら撮影可だということ。
↓ モネの睡蓮もパチリ♡
↓ モネじゃなく、マネもパチり! オレの絵のマネすんなよ・・・なんて、ウフッ♪
↓ こちらはミレーのダフニスとクロエ。
若い頃、これを模した絵を180cmのベニヤ板に描きました。
絵に合わせて、ギリシャ神話のダフニスとクロエを元にした三島由紀夫の「潮騒」を読んだり、ラヴェルの同名劇音楽を聞いたりしてました。
残念ながら写真も残ってないけど(油彩をはじめて1年くらい、たいした絵じゃなかったと思いますが)、西洋美術館はもしかしたら、自分の絵の原点かな? なんて思ったりもしました。
アルチンボルド展をこれからご覧になるみなさま!
西洋美術館に行くなら、常設展を見ないと勿体ないですよ。今やヨーロッパの美術館にも負けない素晴らしいコレクションがいっぱいです。