ユトリロとヴァラドン展 母と子の物語

一昨日は実は展覧会のダブルヘッダー。
マグリット展の前に新宿の損保ジャパン日本興亜美術館で行われている(本日最終日!)、「 ユトリロとヴァラドン展 母と子の物語」に行ってきました。

ユトリロの母が画家だったことは、最近になって知ったこと。

たまたまニューオータニ美術館でユトリロとヴァラドンの絵が併設されていて、ユトリロは母も画家だったということを知ったのですが、「母も画家」というレベルではなく、実は技量的にはユトリロを凌駕する画家だったことにびっくりでした。

もともとスュザンヌ・ヴァラドンはサーカスの曲芸師で、ケガがもとでロートレックやルノアールのモデルをはじめたという人。
恋愛遍歴が豊富なため、ユトリロの父が誰だかわからないという、自由奔放な女性だったそうです。

一方のユトリロは、そんな母とは対照的に内向的な性格で、早い時期からアルコール依存性になり、絵もその治療からはじめたとのこと。

ヴァラドンはユトリロが画家として成功するまで、息子に絵画の才能があるとは思っておらず、また息子も母から絵画を学ぶことはなかったため、互いに影響を受けることなく、独自の画風を確立している(wikiより)

描く対照も人物が中心の母に対して、人をほとんど描くことのないシャイなユトリロは何もかも正反対だったようです。

ユトリロはヴァラドンが18歳の時の子でしたが、恋愛遍歴の豊かな母は、それまで結婚生活をしていた実業家と息子をよそに、ユトリロより3つも年下の画家のタマゴと結婚してしまい、そのショックでユトリロはますますアルコールにのめり込む日々。

そんな母でも、ユトリロはヴァラドンが大好きだったようで、五十路を過ぎた頃に母が他界したことが大ショックだったようです。

母の豊富な人間関係から得た力強い線、その人その人の性格描写は圧巻。
そして、その自画像を見る限り、この母にユトリロは一生頭が上がらなかったことが容易に想像できます。

いや、母に頭を上げようというのは、どんなに歳を重ねようとできぬこと。

わたくしも書家の母に頭を上げようなどとは、常日頃、考えたこともない次第(笑)。もっとも、うちの母がヴァラドンのような男性遍歴はありませんし、逆にわたsくしはユトリロほどシャイでもありません(苦笑)。

展覧会は今日一日でおしまい。
足を伸ばせる方は見て頂ければと思います。

 

 

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