忙しいと言いつつ実はヒマなので(ウソです)、六本木の新国立美術館で開催されている13年ぶりという、ルネ・マグリットの大回顧展を見てきました。
今まで、日本で何度もマグリットの展覧会は開催されているのですが、今回のものは最大規模との触れ込み。その言葉に恥じない堂々とした展覧会でした。
わたしがマグリットに遭遇したのは古く、小学校4、5年くらいの時でしょうか。
年譜を見ると1967年にマグリットは世を去っており、おそらくその翌年くらいに竹橋の近代美術館で見た回顧展がそれだったと思います(年がわかりますな)。
当時、藤子不二雄Aがマグリットの「ピレネーの城」を扱った、幻想的なマンガを描いていて、おそらくそれで親にせがんで連れていってもらったのだと思います。
いや、見て驚いたの驚かなかったのって(どっちやねん)!
空中に浮かんだ岩を描いた「ピレネーの城」。
青空の下に描かれた夜の町「光の帝国」。
足の指がはえた靴の絵には「赤いモデル」というタイトル。
親父に「これ、どういう意味?」って尋ねたところ、ブツリ学者のくせに「余計なこと考えずに面白いと思えばよい」という返事。
いや、ある意味それが正解なんですが(笑)。
長じて卒爾乍らわたくしは、自分の作品に「光の帝国」や「大家族」といったマグリットのタイトルを冠しました。
小学校当時だった私は自分が絵の道に進むとは、当時考えてはいませんでしが、その後の道しるべとなったことは間違いありません。
さて、今回の六本木の展覧会。
マグリットの初期の作品も数多く展示されていて、彼がグラフィックデザイナーだったことも初めて知りました。
なるほど、鳥を象った大空「大家族」は、何点も自らで描いた作品がありますが、これは完全に複製可能なデザイン的作品です。
隠喩に満ちたマグリット作品。
29日までですが、まだの方は是非ご覧くださいませ!