ルーヴル美術館展とイルカ漁について

東京ミッドタウン地下にある茅の舎(かやのや)のイートイン。
豚汁と十穀米のおにぎりは体が喜ぶランチです♪

徳川家康四百年祭に合わせて、家康公のご幼少を描いたマンガ
「竹千代君がゆく!」
しばらく巻頭にはこちらを張っておきます。未読の方はどうぞ!

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先日、ご招待で六本木の国立新美術館の「ルーヴル美術館展」に行ってまいりました。

わたくし、堪能ルーヴルという本を出していまして、ちょっとはルーヴルに詳しいはずなのですが、今回の展覧会はほとんどが記憶にない作品ばかりでした。
そこがルーヴルのすごさといえば、すごさなのですが・・・結論から先に言うと、 ちょっと物足りない展覧会だったでしょうか。

今まで、ルーヴルと銘打った展覧会は毎年のように行われていますが、今回のものは「風俗画によるヨーロッパ絵画」というテーマです。

歴史画や貴族の世界を描いたものではなく、ルネサンス以降のヨーロッパの日常生活にスポットを当てた絵ばかりを集めていました。

目玉は何といってもフェルメールの「天文学者」
満員御礼の会場を見てもわかるように、客を呼べる画家として、近年フェルメールの人気のフェルメールは高まっております。

ただ、この絵以外にあまり目玉になる作品が見当たらないのが残念なところ。

展示方法もフランス絵画とオランダ絵画、フランドル絵画、スペイン絵画を並列してますので、初めて見る人にはその違いがわかりません。

風俗画をテーマ別に並べている意図はわかりますが、風俗の背景が違う国どうしを同じように並べているというのは、ややもすると強引ではないか・・・?

わたしも一通り、違いはわかるつもりですが、せっかくムリーリョの「蚤を取る少年」のようなスペイン・リアリズムの傑作も来てるのに、これでは大勢の人と絵の中に埋もれてしまうのが、いかんとも残念でした。

そのなかで印象的だったのは、ジャン・バティスト=グルーズの「割れた水瓶」という絵画です。
隠喩画というジャンルですが、この少女はどうやら純潔を失ったあと(見方を変えればレイプされたあと)の肖像だそうです。

そうした絵を描くのが良いかどうかは、その時代でないとわからないことですが、やはり当時としても議論を呼んだとかで、画家は実はずいぶん非難されたようです。
個人的に好きな画風ではないけど、この展覧会では気になる作品であったのは間違いありません。
ただ、ミュージアムショップには、この絵のクリアファイルが置いてあったけど、この絵に資料をはさむ気になれないかな。

点数的に多かったのが狩猟を描いた作品で、中には自画像の中に猟銃と獲物を描いた作品もありました。
狩りはヨーロッパ貴族のステータスだったし、ジビエ料理もあちらではもっとも格の高いもののひとつ。

当時、画家が狩猟をできるというのは、大変なステータスだったのでしょう。
それを自画像として描いたわけですが・・・

そんな歴史がある人たちにイルカ漁のことを言われたくないですよね。
実は、この展覧会で一番感じたのがその点。
風俗画には猟の獲物を誇示する絵が多いです。見る機会があったら、注意してみてくださいませ

次回は同じ六本木のサントリー美術館で行われた「乾山、見参!」を取り上げます。

 

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