キトラが“来とら”〜驚異の古墳壁画展!

本日2本目の「キトラ古墳壁画」展のUPですが、いや〜、実に素晴らしいものを見せてもらいました!
先の記事でさんざん職員の対応をけなしましたが、キトラ古墳壁画の内容は、まさに3時間半並ぶに値するものでした。

本当に見るべきものは、キトラ古墳の墓室四方に描かれた、4点の壁画がそのまま展示されていることですが、それ以上に実物の壁がどんな状態になっているか、ヒビや剥落まで3Dプリンターなどを使って際限したレプリカも見事。

実物は絵の部分だけを展示しているのに対して、レプリカはその壁面の様子を忠実に際限しているので、私たちは3時間半並ぶだけで、キトラ古墳の墓石の中の状態を目の当たりにできるのです(それと職員の対応は別ですが)。

レプリカと実物の間にはかなりの色の違いがあるのですが、それは精度の問題ではなく、空気に触れることによって実物の方が、出土する時にくらべて色の変化を起こしてているというのです。

また素晴らしいのは天井画のレプリカで、天体の運行を忠実に際限した天体図はレプリカとはいえ感動を覚えました。
きっと何世代にもわたって、星ばかり眺めていた一族がその力を結集させて作ったものなのでしょう。

驚いたのは最も保存状態の良い「白虎」ですが、 これが展示されてあった高松塚古墳(レプリカ)の白虎と向きが違うだけで、そっくりではありませんか!

これは似てるとか、影響を受けたというレベルではありません。

高松塚が8世紀初頭で、キトラはその10年ほど前と推測されるそうですから、同じ画家が描いたと考えられても不思議ない近さです。

それにしても、キトラ古墳の壁画を見たあとに、高松塚古墳の唐風の女性たちを見ると、高松塚が俗っぽく見えるから不思議です。

壁画に使われたマテリアルは、サンプルが取り出せないので、詳細は明らかでないそうですが、分光分布図などによる非破壊検査からは、水銀や藍銅鉱などの顔料をニカワで固着したものと推測されるそうです。

いわゆる日本画のルーツにあたるものがキトラ古墳というわけですが、その卓越した技術やマテリアルの扱いから見て、一代や二代で完成するものではありません。
加えて四方の壁を描いた絵師は「超」 がつく、一流の絵師です。

わが国では、キトラの前に絵画らしい絵画が発見されてないことに加えて、白虎の朝鮮風、あるいは漢の時代に見られる、トラと蛇を合わせたようなフォルムは、大陸あるいは半島からやってきた絵師かもしれません。

3時間半待たされ、せかされて30分で追い出された「キトラ古墳壁画」展でしたが、その価値は十分以上にありました。

謎が多すぎるのも魅力ですね。

 

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