今日からドーハでクロマグロ規制をめぐる討議がはじまります。
私はこの問題を、反捕鯨やイルカ猟の映画「ザ・コーヴ」などと同じレベルと思っていましたが、
先日、水産関係の仕事をする友人に話を聞いたところ、
どうも単なるジャパン・バッシングという単純な話ではないとのことでした。
以下、友人の話の受け売りです。
もちろんクロマグロ規制に日本叩きの一面もあるようですが、
その数が減っているのは明らかなんだそうです。
その点が、ミンククジラのように増え過ぎて、他のサカナを食い荒らす場合と違うところです。
しかも、そのクロマグロの大半を食べているのが日本人であることも事実で、
悪者にされやすい点も問題です。
いちばんの問題はクロマグロだけのことでなく、漁業全体の問題であるとのこと。
日本の漁業関係者の収入は重労働なのに低く、
そのため利益になるクロマグロ漁はどうしても乱獲ぎみになる。
これは漁業における政策上の欠陥が原因だそうで
(詳細は長くなるので、折りを見てアップします)、
ノルウェーの漁業は、政策上水産資源が枯渇しないようにしながらも、
日本の漁師より遥かな高収入を得ているそうです。
余談ながら、昔から漁業というのは士農工商の範疇に入らない職業だったそうで、
一説には、実質漁師を動かしていたのは幕府ではなく、
京都のお公家さんたちだったと言います。
(海運業は藩を自由に越えて行き来しやすい)。
政治も農業には減反などで手厚く(実際にはかなり農業を殺してますが)してますが、
票がさほどでない漁業にはおざなりという点もあるんでしょうか。
舟竹のように、釣った魚を出す店ならいざ知らず、
美味しいけど流通に乗らない魚は、私たちの食卓に滅多に出てきません。
もちろんクロマグロ規制など論外ですが、知らない美味しい魚も気軽に食べたいものダナ。
おかげさまで入院中の母は元気です。
一昨日Mサイズのパジャマを買って行ったら、
着る前に「これじゃ大きいわよ」と言われました。
昨日は、家内が買ったSサイズのパジャマを持って行ったら、
着る前から「これじゃ小さいわよ」と言われました。
両方着てくれているようですが、退院もそう遠くないと思います。
画像はアル・ケッチァーノ・奥田シェフもご推奨の拙著「さかな通」です。
著者の長谷川玄太さんは、実は食の記事を書く時の私のペンネーム。
イラストはもちろん小暮の筆によります。