学問のすすめ


昨日、仲間うちで行っている勉強会で福翁の「学問のすすめ」を取り上げましたが、
戦前までの日本人の考え方のスタンダードになっていたことが、よくわかる名著でした。
冒頭の「天は人の上に人を作らず、人の下に人を作らずと言へり」は、
「言へり」という言葉を抜かして、誤解された形で流布してます。
これは以前にも書きましたが人は学問をすることによって違いが出てくるよ、という意味で、
「人間みな平等」を説いたものではありません。

もっとも福沢諭吉は士族や百姓、町人、商人といった身分制は否定しています。
良い人材は学問の励行によって、どの身分からでも出てくる可能性はあるとしており、
それが「学問のすすめ」なのだということです。
チャンスはどの身分や階級でも平等にある、ということですね。

なんか時代的に、今話題の龍馬伝の岩崎弥太郎とかぶりますが、
福翁も中津藩(大分)の下級武士出身だったそうで、
頭のわるい上士が意味なく威張り散らすのがイヤだったんでしょう。
実際、学問のすすめにもそのことが記されています。

法治国家はどうあるべきか、権利と義務とは何か、国家とはなんぞや、など
今読んでも思わず膝をたたくところの多い書物です。
もっとも思想的にそんなに深いことは書かれていませんが、
それがこの本をかえって読みやすくしています。
下世話ですが、さすが一万円札。
(余談ながら五万円札、十万円札は聖徳太子が控えているという噂です)。

写真は昨日の会場、旗の台の舟武(ふなたけ)の刺し身盛り合わせ。
釣った魚を捌いて出す店で、たしかにハンパでなくサカナの旨いお店でした。
勉強しにいったのやら、飲みに行ったのやら。

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