自営業をしていると時間の自由がきくようで、クライアントの多くが暦通りのスケジュールで動いてますから、やはり正月は何となくのんびりします。今年は休みが長いのでなおさらかな。
昨日は家族でニューオータニ美術館で新春お蔵出しの作品を見たあと、木曽路赤坂店で「すきやき御膳」をいただきました。
こんなモン食べてるから痛風になるんだと言われそうですが、申し訳程度のご飯は雑穀飯です。
木曽路が入っている月世界ビルというのは、昔はゴールデン月世界という大型キャバレーでした。赤坂には「ミカド」というギネスにも出てる大型キャバレーや、力道山が刺された「ラテン・クオーター」という店がありましたが、いつの間にかなくなってしまったなあ・・・。
ところで一時行列だったフーターズ赤坂店は、今客が入っているのかな?
普通の入りになったようですが・・・。
カボチャのサブジ(インド風ラタトゥイユ)をひよこ豆とキャベツ、ピーマンで炒めました♪
ほんとは仕事で押し迫ってる方が良いんですが、こういう余裕のある時間はそうそうありません。
こういう時には映画と読書に当てるべく、早速「レ・ミゼラブル」の原作を読みはじめました。
文庫本で120ページもある第1章は、ジャン・バルジャンがまったく登場せず。ジャン・バルジャンに銀食器や燭台を差し出す司教の物語からはじまるところは、さすが19世紀文学!
マリー・アントワネット。ジョセフ・フーシェ。ジャン・ポール・マラー。ナポレオンなど、フランス革命以降の登場人物の名前が飛び交う、やたらと細部の説明が多い文章を忍耐しながら読み進めると、第2章からは映画とほぼ同じ進行でジャン・バルジャンの物語がはじまります。
ここからはかなり面白い。一気に読める・・・かな?
映画(舞台)では、ジャン・バルジャンが妹に食べさせるパンを盗むことになっていますが、原作では「妹」ではなく「子沢山の姉」であるとか、細かい部分では違うようです。
ただ雰囲気的にはかなり近い感じでして、先を読むのが楽しみです。
文学というのは若い時に読むものだそうで、たしかに段々年齢を重ねていくと、実用書みたいなものを読む機会が多くなり、それとともに小説は読まなくなります。
まあ、すぐに役立つもんじゃないからねえ・・。
しかしながら、良いとされる文学はすぐには役立たずとも、読んでおいた方が良いことはたしかです。
近年は亀山訳のドストエフスキーが売れているそうで、あれらは読むことが「MUST」に入る代表的な小説と言えましょう。
そういう本が売れるのは大変良いこと。
「レ・ミゼラブル」もまた然りです。
あの「カラマーゾフの兄弟」では、一章まるまる、イワン・カラマーゾフの創作劇「大審問官」に費やされており、読み進めるのに忍耐と注意力が必要とされますが、それだけに読後に得るものは多いものです。
岩村で見たカボチャに油彩がほどこされてる奇妙なオブジェです。
そんな意味で、「レ・ミゼラブル」も久々に厚みのある文学に巡り会ったような感じで、ドストエフスキー同様、19世紀的な時間の流れ方、世界観の巨大さがまた醍醐味であります。
有名なパリの下水道にまるまる1章費やされてる場面は、きっとラスト近くに映画にも出てくる場面なのでしょう。
トーマス・マンの「ブッデンブローグ家の人々」でも、跡取りの子供がチフスで亡くなる場面の前に、1章まるまるチフスの症状についての描写が描かれていましたが、現在の小説では、あまりなされない手法ですね(マンは20世紀の人ですが)。
そういえば、バルザックなんかは読んだ気になっていて読んでない作家だったな。
今年は文学の古典を読んでみたい。そんな感じの新春です。
やはり人生にそういう教養は必要ですものね。
「その教養、いつ身につけたの?」
「今日よう」・・・なんて、ウフッ♪