「レ・ミゼラブル」観ました!

↑ 上の写真は16年ほど前、独立仕立てくらいの時に友だちの依頼で描いた作品に久々に対面したものです。iPhoneで即席に撮った写真なので、アクリル板の映り込みがないよう斜めから撮影。今度キチンと撮らないとね。

チェンバロを弾いてる女性がクライアントで、彼女のリクエストで入れました。「何を描いても良いけど、明るい絵でピアノを弾いてる自分を入れて」というのが依頼の条件でした。

さて、昨日の元旦は映画1000円の日ということもあって、久々の映画鑑賞。六本木のTOHOシネマズに「レ・ミゼラブル」を見に行きました。

いや〜、単純に良かったなあ。年のせいで涙腺がゆるくなってきたのか、泣いてしまいましたわ。

レ・ミゼラブルというのは、私が子供の時分には「ああ無情」「ジャン・バルジャン物語」といって、少年少女文庫には必ず入っていた小説です。
パン1枚盗んで19年投獄されたジャン・バルジャンの物語ですが、実はわたし・・原作は読んだことがありません。

新潮文庫で全巻持っていたのですが、学生時代に購入して1度も読まずに何処かへ行ってしまったという曰く付きの小説であります(世界文学は読んでいる方ではあるんですが・・・)。

この機会に原作、買い直して読んでみようかなあ。
もっとも映画は舞台をベースにしてるそうで、細かいところ、だいぶヴィクトル・ユーゴーの原作とは違うそうです。

ですから、「レ・ミゼラブル」がフランス革命直後の世界を舞台にしてるということさえ、露知らず。ほとんどパン1枚盗んで19年投獄されていたこと以外には予備知識なしに見たというわけです。

あのフランス革命というのは、文字通りたいへんな革命で、あの前と後では世界がまったく変わってしまった大事件ですね。民主主義も共産主義もフランス革命から生まれた仲の悪い兄弟と言っても宜しいかと思います。

このフランス革命後の世界というのが色濃く出てるのが、映画を観て驚いたことのひとつです。

後半、七月革命をモデル(そのもの?)にしたという学生たちの蜂起が描かれていますが、ドラクロアの「民衆を率いる自由の女神」を思わせる場面が秀逸。

有名なパリの下水道に丸々1章費やしたという原作 (読んでないが)の場面とおぼしきシーンもここに出てきます。

フランスの三色旗は、自由・平等・博愛を意味してますが、それを得るにはものすごい血が流れたというわけですね。わたしの父は、「あの国は自由・平等・博愛がないから、逆に国旗になってるんだ」なんて言ってましたが、革命前はなおさらだったのでしょう。

不衛生なパリの様子は、映画「パフューム」以降お馴染みになってますが、実際はあんな感じだったのでしょう。

それにしても、民衆がかざしているフランスの三色旗の何と美しいこと!
シンプルで美しいデザインは、世界の国旗の中でも五本の指に入ると思います。

あの場面を観れば、フランス国民ならずとも気分が高揚すること間違いありません。

しかしながら、仏三色旗と同じか、それ以上にシンプルで美しい日の丸ですが・・・それをあの映画の中に当てはめると、必ず「軍国主義だ」とか「独裁的だ」という方が出てくるでしょうね。

どこが違うのかご指摘いただきたいものですが、やはり感覚のゆがみというのが原因ではないかと考えますが、映画をご覧になった方は如何お考えになるでしょう。

余談ながら、七月革命をモデルにしたラスト近くの蜂起で、学生たちが歌う革命歌は、あの共産主義の革命歌「インターナショナル」によく似ています。
音楽の魔力とでも言いましょうか、 これがまた良い歌なんですが、そのあたりイデオロギーと芸術的な完成度というのはあまり関係ないものだ、なんてことも思ってしまいました。

ともかくもこの映画、感動的な予告編が話題でしたが、実際に観ても失望することがありません。

一見の価値ありです。ぜひ劇場に足をお運びくださいませ!

「レ・ミゼラブル」観ました!” への11件のコメント

  1. 歳末の忙(せわ)しさを置き去りにして、去年アッシは行ってきました。

    今でも残る余韻は、二人の男優の変身ぶりです、アッシには。
    両優とも、まあ、アクションで売り出した肉体派との印象なんですが、
    あそこまでオペラチック(?)な演技もできるのかあ、
    とそればかりが脳内でコダマ、エコーを続けて居ます。

    特に、
    X-man has reborned (リボーンド) as a Star、ちゅう感じです。

    あとは、これもハリウッドシネマの奥深さなんでしょうけれど、
    出演者たちの、濃さ、です。
    蜂起した若者たちの個性、百花繚乱(野郎共の表現に使うのか?)かな。
    いろいろ居て、楽しいですなぁ、昔々々の小中学生たちみたい???

    それに比す、我が国の俳優の皆さん、自虐と叱られる?、
    なんかのっぺりした、ショーユ顔、ソース顔ばっかしに見えてしまい、
    いい子ばっか、
    48人組の学芸会部隊なんて特に、(女優でもなんでもなかったな)
    それはオメーの加齢のせいだよ、と友人どもには言われるのですが、
    今回 レ・ミゼラブル を観て、こっちの責任じやねーな、
    と思い直した次第です。
    我が国の芸能畑、なんなんじゃ、つまらん、じつにつまーらん!!!!!

    ストーリーは、マスオさんの仰せのとおり、加筆訂正無し。(本年もエラソー!)
    アッシも本来なら涙腺が開くはずだな、と冷淡に客観視で思って居たのは、
    前述どおり、二人の男優の変身ぶりにばかり、
    食い入ってしまって居たからでした。
    もう一回観たら、バスタオルで顔を隠して居るかも????
    だから、観ないもんね?????(BD出たらこっそり買うかな???)

  2. お頭さん、おはようございます!

    レ・ミゼラブルの俳優陣の濃さはスゴいですな♫

    ジャン・バルジャン役のヒュー・ジャックマンが、X-manと結びつかず、映画が終わってから気がついてびっくりしました。
    この人は元々ミュージカル出身だそうで、X-manの方があとから作った役、むしろこのジャン・バルジャン役の方が本来の彼だそうですね。

    日本好きなようで、来日の際に息子と一緒に富士山に登ったそうですが、「ずいぶん似た外人さんがいるな」と思った人が多かったそうです。まさかヒュー・ジャックマンが富士山頂にいるとは、誰も思いませんからね。

    ラッセル・クロウのジャベール警部もアン・ハサウェイのフォンテーヌも秀逸でしたが、コレット役(成人)の子のおでこのシワが個人的には気になりました。

    マリウス役のエディ・レッドメンはこれから人気の出そうな役者ですね。
    俗に「役者は、一に柄(ガラ)、二に勘、三に慣れ」なんて言いますが、この人は実際に銀行の頭取の息子だそうで、育ちの良さがガラに出ていますが、役者としての資質も素晴らしい。
    今後注目していきたい人だと思います。

    さーて、展覧会の諸々も片付いたし、今日当たりまたTOHOシネマズで「スカイ・フォール」でも観ようかなあ♫

  3. おはようございまする。

    なある、ヒューはそういうことでしたか。
    こいつは善い奴かも知れない、と思ったのは、日本での試写会(?)です。
    いや、TVで見たんですが、皇太子がお一人で来場されるのに、
    ヒューがお待ちしているのですが、
    その緊張ぶりが演技じゃないな、演技ならアッシを騙すとは大した奴じゃ、
    とか思って観ました。
    そして、皇太子と御目文字してからは一層、ドギマギでしたね。
    アメリカン(?)にしては好い奴だ、注目してあげよう!!!

  4. スカイ・フォール。
    ブリティッシュ、スコティッシュの観客が目立つギロッポンの映画館でした。

  5. お頭さん、おはようございます!

    >アメリカン(?)にしては好い奴だ、注目してあげよう!!!

    ヒュー・ジャックマンはオーストラリア人ですね。
    富士山に登る日本好きのナイスガイだと思って間違いないかと。

    で、意外にもラッセル・クロウはニュージーランド人。レ・ミゼラブルでもそうでしたが、年を重ねて体重が増えてから、オールブラックスのメンバーみたいな感じです。
    もしかすると純粋な白人ではなく、マオリ族の血が入っているかもしれませんね〜。

    六本木TOHOシネマズは2回タダで観れるポイントが溜まっているのですが、今日の回はかなり埋まっていて難しそう。
    TSUTAYAでX-manでも借りようかな。これ、実はまだ観てないしね〜♫

  6. ヒューはオージーですか。
    なので、アメリカンとはちとテイストが違うんですかね?

    レッドメイン君はイングリッシュでしょう?
    これは隠しきれない?
    それが宿敵国人???を演じた、フレンチは苦笑い?

    あと、バリケードで射殺されるチビ、小癪な子役でんな。
    死体がとても上手でしたがな。
    我が国の、かっわっぃぃぃぃぃ、だけじゃダメダメ、子役の皆さん、
    向こう意地を見せなはれ。

    そう、この映画は、ヒューとラッセルに関しては、
    アッシにとっては、
    まさにスカイフォールでした。
    以上、ジャンジャン、ジャンバルジャン。

  7. お頭さん、おこしやす。

    >アメリカンとはちとテイストが違うんですかね?

    オーストラリアは昔、白豪主義と習った国ですから、たぶん個人的な違いでしょうね。

    >死体がとても上手でしたがな。

    あれ、上手すぎます。もしかして人形とか、特殊メークとか。
    生きてる人間に生気は消せません。忍者ならまだしも。

  8. こちらではあけましておめでとうございますコメントです。
    元日に映画ですか。なんだか都会の過ごし方だわ~。

    日本の日の丸はフランス政府に「そのデザインを売ってくれ」と言われたことがあるって話をどこかで読みました。出典は忘れてしまったのですが、凄い話だと思いました。

  9. じゅん×じゅんさん、明けましておめでとうございます!

    >元日に映画ですか。なんだか都会の過ごし方だわ~。

    うーん、考えたこともありませんが。
    都会だけに、そう言っ”とかい”ね〜・・・なんて、ウフッ♪ 

    >の日の丸はフランス政府に「そのデザインを売ってくれ」と言われたことがある

    「日の丸デザイン フランス」で検索したらヒットしました。
    http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1113498261

    どうやら本当の話なようです。
    ついでにパラオやバングラディシュの国旗も日の丸がモデルという話も書いてます。
    ご参考にしてくださいませ。

    ドラクロアの「民衆を率いる自由の女神」ではありませんが、次回は絵の中に日の丸を入れたい、ふとそんな風に思った次第です。

  10. おはようございます!
    ひのまるがはためくマスオさんの絵、見たいです!楽しみにしています!

    パラオはこの国旗の話を知って以来、行ってみたい国の一つに入っています♪

  11. じゅん×じゅんさん、おはようございます!

    >ひのまるがはためくマスオさんの絵、見たいです!

    ありがとうございます!
    まだまったくどんな絵にするか考えてませんが、やってみたいと思います。

    >パラオはこの国旗の話を知って以来、行ってみたい国の一つに入っています♪

    日本語がいっぱい残っているそうですよ。
    中古の自動車やバスがそこかしこに走っていると聞きました。

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