求刑上回るアスペルガー判決〜控訴へ

引きこもり生活の末に、支援を続けた姉を刺殺したとして殺人罪に問われ、大阪地裁の裁判員裁判で求刑を4年上回る懲役20年の判決を受けた無職大東一広被告(42)が、判決を不服として13日までに大阪高裁に控訴した。

あ@花さんのブログでは再三取り上げられている記事ですが、わたしのブログ読者さんには何のことだかわからない方も多いと思うので、ざっくり説明いたしましょう(ざっくりし過ぎて不正確なところあり、訂正歓迎です)。
1、まずはアスペルガー症候群ですが、これは自閉症の一種ですが、言語の障害が伴わない高機能な障害を言います。

文字通り「症候群」なので、人によってパターンは 各々違います。

2、で、肝心の自閉症ですが・・・これはは脳に起因する先天的な障害で、おもに想像力の障害と言われています(例ー『ご飯食べに行きましょう』『ええ? おかずはどうするんですか?』)。

他人とのコミュニケーションがとりにくい、興味のスポットが限られているなどの特徴がありますが、これも人によって大きな違いがあるのでひとくくりにできません。あくまで傾向です。

やや問題なのは一連の記事の書き方で、自閉症(Autism)と引きこもり(Social withdrawal)を混同してしまいそうですが、まったく別物です。自閉だから引きこもるわけではないし、引きこもりが必ずしも自閉なわけではありません。

で、事件の概要というのがこちらです。

読むとおわかりになると思いますが、被告の殺人の動機というのが、記事にもある通り理不尽きわまりないものです。

3、自分(被告)が不登校になったのは、今まで世話をしてきた姉のせいだ。自殺をしたいからインターネットで自殺の仕方を知りたい、だからパソコンがほしい。でも姉が買ってくれたのは新品のパソコンじゃなく、中古のパソコンだった。
だから殺した。

4、こうした理由で、今まで何10年も支援をしてきた姉を刺殺。しかも逃げる姉を執拗に刺し続けた(うむむ、この理不尽さ・・・。どこかの国を想わせるような)。

5、当然ながら、残された姉の夫や子どもの怒りはきわめて大きく、「一生、刑務所から出られないようにしてほしい」と訴えたという。当たり前ですね。

6、結果、求刑の16年を超える20年の懲役という判決が出ました。これは被害者遺族の意思を反映したものであると同時に、出所後にこのような危険な人物の「受け皿」をどうするか、といったことを考慮したものであります。

法律関係の人から聞いた話では、求刑を超える判決は異例ではあるものの、法律に反したものではないそうで、例えば殺人が2人以上から死刑になるというのも、実は今までの判例に即しているだけだそうです。

そういう意味では、犯した罪のペナルティを課す意味でも20年というのは、妥当な判決といえましょう。

この判決に対しては思った通り、異を唱える人も多く、以下記事からの引用です。

「発達障害には家族など周囲の理解が大事で、単に刑務所に長く収容するだけでは解決にならない。発達障害への偏見を助長する時代錯誤の判決だ」

「障害に対する無理解と偏見があり、差別的な判決」

うーん。

これ・・・何も悪いことしてない障害者(あるいは罪の軽い)に対して言う言葉でしょ。現実に人間一人殺されてるのに何を言ってるという感じです。
第一、「家族など周囲の理解が大事」って、被害者はいちばん被告を理解し援助していた人でしょう。 それが逆恨みで殺されたんだから。

殺された被害者の夫や子どもの前で同じことを言え・・・と言いたいところですが、たぶん平気で言ってるんでしょうね。

この記事を書きながらあらためて感じたのが、あ@花さんのいうギョーカイの人たちが言う「差別的だ」とか「偏見を助長する」というお題目ですね。

 

閑話休題。

どこかで聞いたことがあると思ったら、「日本は戦争の反省がまだ足らない」とさけぶ、どこかの国の言葉。
あるいは反原発やオスプレイ反対デモに嬉々として参加する人たちです。

この人たちに共通するのは、自分のテンプレートが決まっていて、それ以外の結果は一切受け付けないことであります。

自分が思っている結果(判決)以外のものには、大声で「差別」や「偏見」「大企業は人の命を考えず、お金しか考えない」など、あらかじめ用意されたテンプレートを大声で叫びます。

そういう思考停止状態だから、被害者のことなんか考えないで「差別」だ「偏見」だと言えるんだろうな。そんな反対なら、被告を引き取ってあげれば良いのにね。

↓ アスペルガー判決に関係ありませんが、先日プラカードを持って走った選手。IOCで審議されてることに対する、本国の声です

「同事件はIOCの過度な解釈によるものとして“(メダルを)剥奪するならやってみろ”といった態度も必要だ」

 「我が領土を我が領土と言っただけで、少しも政治的ではない」

「これが問題なら、メダル獲得の感想を訊かれ、“神に感謝する”と答えるのも問題視しなければならない」

うーむ。
なんか中身は北朝鮮と全然変わらないような・・・。

いわゆる障害者のギョーカイと呼ばれる人たちとも共通してますね。いずれも決まった結論以外は受けつけない脳に問題があるように思えます。

 

さて、おしまいに加えて申し上げると、自閉症が治らないというのは間違いです。
「治る」という言葉は不正確かもしれませんが、訓練によって発達することは間違いありません。
そんな意味では、この事件の被告。
そのようなトレーニングは受けてこなかったのか・・・理不尽に殺されてしまった被害者の方のご冥福をお祈りいたします。

求刑上回るアスペルガー判決〜控訴へ” への20件のコメント

  1. この判決の一番のキモは

    >元最高検検事の土本武司・筑波大名誉教授(刑事法)は
    「責任能力に問題がない以上、刑罰を決めるにあたっての最も重要な点は社会秩序の維持だ」と強調。
    「被害者に落ち度はなく、裁判員の判断は常識にかなっている。裁判員裁判を導入した成果だと言える」と評価する。

    ここだわな、と思いました。
    この被告には責任能力に問題はないということ。
    善悪の判断はできるのだ、ということ。

    彼に「責任能力はない」ということにすると
    「じゃあアスペルガー症候群の人間には人殺しは悪だということが
    理解できない」という方向に行く可能性がありますね。
    症候群ということで一人一人が違うにも拘らず
    「アスペルガーだから人殺しがいけないことが判らない」なんて断言されたら
    堪ったもんではありません。

    このヤフーの記事によると
    弁護側はアスペルガーのために「感情のコントロールができなかった」と主張してます。
    殺意を抱いたのも障害ゆえだと主張しています。

    ええと、これで良いのでしょうか?
    量刑を軽くしてもらうがために、言いたい放題言ってる気がするのですけど。

    民事で、騙されてるのが理解できなくて保証人になってしまい
    莫大な金を要求される裁判の時
    「教育の機会もなく知識も欠けていて
    一般人より能力の水準がかなり低い」と主張することは時々聞きますけど
    「アスペルガー症候群の人は理不尽な理由で人を殺そうと思います」
    「その感情はコントロールはできません」と断言する弁護側の作戦は
    却って障碍を持つ人や周囲を愚弄するものだと思うのですが。
    そしてそれに同調するのも同じ意味ではないかと私は思うのです。

    この裁判で、この本を思い出しました。
    既読でしょうか。
    日垣隆「そして殺人者は野に放たれる」
    http://www.shinchosha.co.jp/book/130051/

    テンプレ以外は受け付けない思考停止は、将来を閉ざすと思います。

  2. >いわゆる障害者のギョーカイと呼ばれる人たちとも共通してますね。
    >いずれも決まった結論以外は受けつけない脳に問題があるように思えます。

    うーん、不謹慎ですが、ニヤッ、としてしまいました。

    >さて、おしまいに加えて申し上げると、自閉症が治らないというのは間違いです。
    >「治る」という言葉は不正確かもしれませんが、訓練によって発達することは間違いありません。

    腑に落ちました。

  3. この種の事件で、つねに差別的なのは弁護側なのです。
    障害を減刑の引き合いに出すのがお仕事なので、結果的に弁護側が障害者差別をすることになります。
    自閉症者のすべてが犯罪者になるとはまったく考えていませんが、自閉症なりの認知の偏りから恨まないでいい人を恨んで犯行に及ぶ可能性は高いと思っています。
    その事実から目をそむけるギョーカイは、再発防止などには乗り出さないでしょう。そこが問題です。

  4. かなこさん、こんばんは!

    >この被告には責任能力に問題はないということ。

    そもそも、わたしはその責任能力ということ自体に疑問を覚えます。
    だって、14歳の少年に自分の子ども殺されて、それで相手の刑が軽くなるのって、遺族にとって到底納得できる話ではありませんよね。

    危険な人間を世に出したらいかんでしょ。

  5. かなこさん、おはようございます!

    眠くなって、途中でやめてしまいました。

    サヨク脳と共通してるのが、テンプレート・・・すなわち自分の用意した結論以外は受け付けない脳ですね。

    議論好きのわたくしでありますが、こうした人たちと議論して感じる無力感がここにあります。

    先日の韓国サポーターの問題にしても、明らかに政治目的で、しかも韓国人のトレーナーがプラカードを渡しているのに、「政治目的はなかった。これを政治目的とするIOCの方が問題」というやりとりになると、もはや議論は不要。無学論に負けずとはよく言ったものです。

    幸いというか、世の中全体の傾向としては、そういった輩には批判が集まってきていますが、彼らの脳まで変えられないといったところでしょうか。

  6. お頭さん、おはようございます!

    >うーん、不謹慎ですが、ニヤッ、としてしまいました。

    不謹慎ではないと思いますよ。
    同じ問題です、それもかなり根の深い。

  7. あ@花さん、おはようございます!

    >この種の事件で、つねに差別的なのは弁護側なのです。

    まさに。
    また、あ@花さんが言われるように、犯罪の障害者割引は「減刑のお墨付き」を与えるようなもの。

    障害者だからこそ、「何をやっても罪に問われない」という意識を植え付けてはいけません。

    この問題は時々拙ブログでも今後取り上げていく予定ですので、何卒よろしくお願いします。

  8. このブログを見つけて、救われた気がします。(素直に)
    私の出した答えがあまりにも酷い言われ方で、メディアに
    騒がれたので・・・
    まじめに裁判員なんてすると、心を傷めるだけだったと・・・

    判決後に取材など求められることもなかったでしたし、
    法廷内で見渡しても、報道関係者らしき人は3人ぐらい。
    もともと、大きく報道されてもない殺人事件でしたし。

    判決の日は、たまたま、大きな事件もなかったから、こんなことになったんだなぁ・・・とか、
    この裁判、検察側の求刑以下だと、メディアは相手にしなかったんだろうとか、ある意味、世間に一石を投じたとか・・・
    訳の解らない言い訳を作り、ごまかして慰めていました。
    この裁判の本質を理解していただける言葉を見つけれたのが、
    幸いでした。ありがとうございました。

    控訴された後のことを知りたくなり、ようやく、ネットでこのことを調べれるようになって、このブログに出会いました。
    まだ、控訴後の状態は知りません。

  9. NO.5さん、おはようございます!

    文面から察するに、この裁判の裁判員をつとめた方と見てよろしいでしょうか。
    コメントいただき光栄、また恐縮にございます。

    ありていに言って、被害者の死は理不尽以外なにものでもないということで、それに課されるペナルティは至極当然の判決だということだと思います。

    この件とは少し違いますが、被差別団体の弱者をかさに着た理不尽な圧力は、「弱者」「障害者」という免罪符を得たように、何をやっても許されるといった風潮がありました。
    また、メディアも同じ穴の狢なので、それに阿ねる報道を繰り返してきたわけで、同じ障害者の家族でも、この判決を歓迎する人は少なくありません。

    本文からのリンクで既知とは思いますが、わたしのクライアント・ブログです。ご参考まで。
    http://blog.goo.ne.jp/tabby222/e/afa8ede5db279cf2d5461a7e23133150

  10. >マスオさん
    ありがとうございます。
    リンク先も読ませていただきました。

    ネットで公言するのは、あまり良くはないでしょうが、
    その裁判で裁判員をしました。

    僕自身の感想はまさに、差別なんて全くしたつもりはありませんでしたが、
    昨今のイジメと自覚していない、加害者のようなものと同じなのかと、不安になってました。

    周りの友人に、裁判員をするってことは、一人で抱えないといけない物が増えると感想を言ってました。
    多くを語れなく、重さだけが残るものでしたから。

    これ以上、ネットであれこれ書くのは良くないと思いますので、
    どこかで、情報収集としてこのブログを見せていただきます。

    本当にありがとうございました。

  11. NO.5さん、おはようございます!

    この際、NO.5さんが実際の裁判員だったかどうかは、どうでも良いことです。
    ただ、NO.5さんのお気持ちを軽減できたようで、そのことが何よりです。

    >差別なんて全くしたつもりはありませんでしたが、

    それはそうでしょう。
    文面から察するに、そういうことをする方ではありませんもの。

    障害者関連には、中韓が「愛国無罪」「反日無罪」を主張するように、
    「障害無罪」を主張する人たちがいるようです。
    そうした人たちは、自分たちの無法を指摘されると、錦の御旗に「差別」を掲げます。

    彼らが主張しているのは、「障害者は何をやっても罪に問われない」特権階級の要求です。

    NO.5さんのされた判断は社会的に間違っていなかったといえましょう。

    またお越しくださいませ。
    今日はこれから、そのことに近い話をアップする予定です。

  12. お久しぶりです。
    先月、1月末に2審が始まりました。
    この26日に判決が出るそうです。

  13. NO.5さん、おはようございます!

    >この26日に判決が出るそうです。

    NO.5さんのご判断がきちんと裁判に反映されますよう。
    愛国無罪、障害無罪はあってはならぬことだと思っています。

    またお越しくださいませ。

  14. 私自身、この裁判がどのような結論に至るのかが問題で、
    自分の出した答えが、すべてではないのです。
    それより、弁護側がなぜ1審で色んな団体に協力を求めなかったことを白々しくしてるのか判りません。
    また、協力を申し出ている団体やこれ見よがし発言するメディアは、刑期が短ければそれで良かったんでしょうか?
    執行猶予3年保護観察付で出ていたら、どうしていたんでしょ?
    その当りをオープンにしていただきたいですよね。
    無理な話ですが・・・
    裁判員裁判の反対派にノセられている感をすごく感じる報道は気のせいでしょうか。

  15. NO.5さん、おはようございます!

    >裁判員裁判の反対派にノセられている感をすごく感じる報道は気のせい>でしょうか。

    気のせいじゃないと思いますね。
    ただ、基本、マスコミは左翼思想が大勢を占めてますから、「裁判員裁判の反対派に報道がノセられている」のではなく、「マスコミが反対派をノセている」と言った方が良いかもしれません。

    昨日、乙武さんが「ピストリウスの逮捕に思う」という記事を載せていましたが、こちらまだお読みでなかったら参考になるかもしれません。
    http://blogos.com/outline/56640/

    乙武さんは一部の障害者団体から嫌われてまして、お読みになれば、その理由も納得かもしれません。障害者は天使であると主張する人たちから見れば、とんでもないことを言ってるわけですからね。

    またお越しくださいませ。

  16. いつも、ありがとうございます。
    自分の思いのヒントになりました。
    乙武さんの本を読んでみたくなりました。
    それにしても・・・
    世の中、見えないチカラで動いてますね(笑)

  17. NO.5さん、おはようございます!

    >乙武さんの本を読んでみたくなりました。

    わたしも五体不満足しか読んだことありませんが、ツイッターでの乙武さんのツッコミ、面白いですよ

    フォロアー「まったく、乙武さんの爪のアカでも煎じて飲ませてやりたいですよ」
    乙武さん「爪、ありません」

    >世の中、見えないチカラで動いてますね(笑)

    まさにさうです。

  18. きました。
    26日の判決は1審より軽いことを予測します。なぜなら1審の判決に危機感を抱いた更正の人が身元引き受けを名乗り出たからです。逆に言うと厳しい判決が死んだふりの福祉業界を動かしたのです。
    つまり、この被告人にとって一番寄与したのは裁判員の人たちです。そして相も変わらず障害を理由に減刑を求めている弁護側は、最大の差別者です。

  19. あ@花さん、おはようございます!

    >1審の判決に危機感を抱いた更正の人が身元引き受けを名乗り出たからです。

    うむむむ。
    それで更正できるもんなのでしょうか。
    また被害者の納得度という点は?

    とはいえ、それまで動かなかったギョーカイが動いたというのは大きいですね。

    >相も変わらず障害を理由に減刑を求めている弁護側は、最大の差別者です。

    わたしが通ってるジムのプールに、プールサイドで着替えようとする女性がいます。着替えられてもそんなに嬉しい人じゃないというのもありますが、みたところ何かの障害がある様子です。

    プールサイドで着替えるだけなら大した実害はありませんが、これが犯罪につながり、周囲に危害を加えるようであれば「社会の理解が」云々しているわけにいきません。

    きっちり責めは追っていただきたいものです。

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