アーティゾン美術館『ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ』展、見に行きました〜劇的な人生を送った人たちなのに作品は軽やか、ぜひ見に行ってくださいませ!

いかん、いかん。
また2週間、ブログが空いてしまいました。

最近は滅多に更新しないブログ、ほとんどが展覧会情報とか芸能情報なのですが、今回も久々のアップは、アーティゾン美術館で開催中の『ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ』展です。

ジャン・アルプは学生時代から好きな作家でしたが、考えてみたら、このアーチストがどんな人だったのかまったく知らなかったのに、自分で自分にびっくりでした。▲アルプといえば、このようななめらかな彫刻作品で知られた作家ですが、まさか夫婦でアーチストだなんて、考えもしてませんでした。いや〜勉強が足りません。

それも先日見てきたヒルマ・アフ・クリントと同様、神秘主義的な要素を持った芸術家だったとは!

妻のゾフィー・トイバー=アルプはテキスタイル・デザイナー出身で、幾何学的な構成から抽象作品を作ってきた人。
一方、夫のジャン・アルプは詩人としての顔を持ち、偶然によるインスピレーションからに作品を生み出していった人だそうです。

▼写真からすると、わりと陽気な人だったかも。

展覧会は夫婦として、作ってきた作品…それも絵画やレリーフなどが中心で、私がイメージしていた、なめらかな彫刻はさほど多くありませんでした。

▼こちらがテキスタイル作家出身というと妻のトイバーのもの。

スイスの大ボス出身というだけあって、あの『サウンド・オブ・ミュージック』に出てくる、あやつり人形の伝統を思い出しました。

レイオロ、レイオロ、レイオー!

▼中心に展示されていたのは、抽象的なドローインや絵画の数々!

丸と四角だけで絵ができるんですね。今度、生徒の子供たちにやらせてみよう。

アルプ夫妻は大戦のヨーロッパに生きた人たちでしたから、その余波は当然、作品に影響されているはずですが、不思議なほど見ていて楽な作品ばかり。

重苦しさや堅苦しさが微塵も感じられないのが素晴らしい。

展覧会を見てさらにびっくりしたのが、妻のトイバーが53歳の時に先に逝ってしまったことです。

それもホテルでの一酸化中毒だそうで、夫のジャンはショックで4年間作品が作れなくなってしまったそうです。

そりゃ、そうだよね。
今まで、そこにいた人がいきなりいなくなっちゃうんだもの。

▼その後、ジャンは妻が残したドローイングを元に、こんな風にレリーフや彫刻作品を作り出します。

奥さんがおらんかったら、アルプの彫刻はなかったんですね。
それにしても先に逝かれて気の毒です。

ともあれ 『ゾフィー・トイバー=アルプとジャン・アルプ』展、おすすめです。
6月1日まで開催されていますので、ぜひご覧くださいませ。

併設されている硲伊之助(はざま・いのすけ)展と、常設展も面白いですよ!

 

 

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