サントリー美術館「虫めづる日本の人々」展・後期に再訪しました〜伊藤若冲の『菜蟲譜』が登場ですが、大名画家・増山雪斎も注目です!

展覧会の記事が続きますが、昨日はサントリー美術館「虫めづる日本の人々」展・後期に再訪してきました。

展示替えや絵巻や本の場面替えが多く、かなり雰囲気の変わった感じになっていて、実に楽しく見ることができました。

後期の展示の目玉はなんと行っても、パンフレットにある伊藤若冲の『菜蟲譜(さいちゅうふ)』ですね。絹本に直色されている実物の風合いを間近に見ることができて、若冲ファンならずとも一度は目にしておきたい作品です。

葉っぱの虫食い跡の線はいかにも伊藤若冲!
左真ん中にある青い物体はカエルでしょうか。
右の「サントリー美術館」の下にいるのはカマドウマですね。

子供の頃は「便所コオロギ」と呼ばれて、気持ち悪がられていた虫ですが、仏に帰依していた若冲らしく、生きるものへの慈しみが感じられます。

↑ 展覧会では真ん中のセミが一番端っこ。絵巻なので、左半分は見ることができませんので、ご了承くださいませ。

『菜蟲譜』は下の階、階段下の通路に展示されていますが、今回注目したのは、若冲の後ろに展示されていた増山雪斎(ましやま・せっさい)の『虫豸帖(ちゅうちじょう)夏』でした。

前期でも『虫豸帖』は違うページが展示されていたようですが、覚えておらず。
増山雪斎も不調法ながら初めて知る名前でしたが、実に精密な描写に驚き、調べてみると何と伊勢長島藩主、増山正賢(ましやま・まさかた、雪斎は雅号)大名画家として知られた人だったのです。

没後200年記念 増山雪斎展

考えてみれば武家出身の画家は珍しい話ではなく、酒井抱一のように姫路藩世継の四男だったり、鷹の絵と、斎藤道三に追放されたことで知られる土岐頼芸(とき・よりのり)も大名画家でした。

増山雪斎は政治より絵の方が好きだった人なようで、若くから家督を継ぐも48歳で早々隠居をして、絵に専念したようです。
それが幕府から奢侈禁止令(しゃしきんしれい)に触れるとして、謹慎をさせられたとか。

どうも幕府もつまらんことを言うもんだ、それが今の日本人気質の一部につながってるのかなと思いながら絵を眺めました。

牧野博士が描いた学者肌の絵画にも通じる虫の絵。
これを見るだけでも来る価値アリです。

「虫めづる日本の人々」は9月18日(日)まで、お見逃しなきよう!

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