江戸東京博物館「北斎と広重」 富嶽三十六景全てが揃った、
予想を超える凄い展覧会でした!〜富嶽三十六景は全部で46枚あった?
先日アップした上記ブログ記事ですが、こちらを読んで展覧会に行った方もいらっしゃたようで嬉かったです。
展覧会は昨日20日で終了しましたが、撮影OKでしたので、本日は富嶽三十六景のご紹介です。大ヒット作ゆえ、追加10点制作され合計46点となった富嶽三十六景。
ここでは、撮影したもののみをアップいたします。
画家にとって富士はもっとも難しい画題のひとつと言って過言でないかもしれません。富士山は実物があまりに圧倒的ゆえ、人間ごときがいくら知恵を絞って描こうとしても、富士そのものを凌駕することはありません。
ところが、北斎や広重が描いた浮世絵では、富士山をデザイン化することで、実物と比較する必要がなくなっています。それが現実の富士に似せて描いた日本画となると、やはり本物と比べてしまうのですね。
そんな北斎翁、御年72歳に発表したという富嶽三十六景はさすがと言うばかりです。
▼尾州不二見原(びしゅう・ふじみがはら)。尾張の国ですあら、実際の富士はもっと大きく見えたはずですが、樽の中に富士を入れたかったのでしょう。
▼武州千住。隅田川は千住大橋だそうで、あの芭蕉翁もここを通ったのでしょうか。
▼青山円座松(あおやま・えんざのまつ)。円座松とは現在の東京都渋谷区神宮前にある龍岩寺の庭中にあった笠松のことだそうです。神宮前からこんな大きく富士山が見えるわけありませんが、脳内再生された富士でありましょうか。
▼こちらは甲州、石班沢(かじかざわ)。甲州ですから、海でなく川ですね。石班沢という表記は誤植だそうです。
▼深川万年橋下(ふかがわ・まんねんばしのした)。現在の東京都江東区で、当時からこのあたりはゼロメートル地帯で、防災用に建てられた橋だそうです。
▼信州諏訪湖。富士山から離れてますが、意外によく見えたそうですよ。
▼駿州江尻(すんしゅうえじり)。波が描けるんだから、風だって描けちゃうぞ♪
▼こちらは北斎翁のアトリエを再現したもの。左の女性は最近、脚光を浴びてきた北斎の娘、お栄こと葛飾応為(かつしか・おうい)でしょう。