▲こちらは学生時代の作品です。ドストエフスキーの「白痴」第一部のラストを絵画にしたもの。若かったので、いっぱい描き込んでますな(笑)。
さて、100分de名著「星の王子さま」には失望したものの、勢いで「カラマーゾフの兄弟」を見てしまいましたが、こちらは抜群に面白かったなあ。
何と言っても、以前にも翻訳が話題になって累計100万部を超えた、亀山郁夫先生の解説つきですから、つまらないはずがありません。
よく言われる話ですが、「カラマーゾフの兄弟」も「罪と罰」も、話の展開的にはミステリーの手法を使っているので、いったん引き込まれると面白く読めてしまいます。
よく知られていることですが「カラマーゾフの兄弟」は、「偉大な罪人の物語」という未完成になった作品の第一部として書かれた作品です。
その書かれなかった第二部への伏線の話が、亀山先生から聞かれるのですから、これは面白い。
ホストの伊集院さんも、よく読んでなかった「星の王子さま」にくらべ、多分ドストエフスキー好きなんでしょうね。なかなか良い指摘をしていたのが印象的でした。
以下ネタバレ注意
さて、100分de名著では、「カラマーゾフの兄弟」最大のミステリーである、父親であるフョードル殺しの真犯人は誰か?…ということですが、これについて、あえてでしょう。亀山郁夫先生は言及しませんでした。
長男のドミトリー? いやいや、自殺してしまったフョードルの私生児(と言われている)、スメルジャコフ?
いやいや。私の考えでは、真犯人はアリョーシャではないかと思っています。
(これは私の友人に指摘されたことですが)。
亀山先生はどう思われているのでしょうか。番組の中で指摘された伏線に、それを思わせる指摘がありましたが、これはご本人に聞かないとわかりませんね。
まあ、作者のドストエフスキーが言わない限り、これは永遠のミステリーなのですが…そんなわけで10年ぶりくらいに、この世界文学の4番バッターを読み返してみようと思っています。
かのゴルゴ13の中でも、いくつか説のある出生の秘密のうち、アレクセイ・スメルジャコフの息子か、ラスコーリニコフの息子かという、二つの説をドストエフスキー作品の登場人物の名が独占しているほどですからねえ(笑)。