「家康、江戸を建てる」読了しました!〜絵の中の川も流れを変えてみました。

先日、密林で同書を購入したら、たまたまお正月に見たNHKの時代劇の原作と知りびっくり。市川正親の家康の軽いノリ、きらいじゃないなと思って見てましたが、原作も相当面白かったです。

ドラマと大きく違うのは、タイトルに「家康」とはついているものの、主人公は江戸の町を作った家臣や名もなき(名前はあるのですが)町民たちでした。
こういう人たちの行なってきたことの積み重ねで、今の東京があるということを実感させられる、誠に志の高い小説でした。
資料などもよく読み込んでいることが伺えて、作者の誠実さが伝わってきます。

まあ小説なので、「ホントに家康がそんなこと言ったのかよ」と突っ込みたくなるとこも多々ありましたが、読ませるためには必要な技術ですね。面白く一気に読んでしまいました!

特に印象的だったのが、今の23区内、東京湾に流れていた利根川を、千葉県の銚子に東遷した最初のエピソード「流れを変える」でした。

「北条家の関東、二百四十万石を差し上げよう」と、秀吉の意地悪で関東の湿地に追いやられた家康が、最初に手をつけたのが治水だったわけですね。

不肖、わたくしも湿地のように煮詰まっていた絵の中にある川を……

このように流れを変えてみることにしました。
絵の川の流れだと簡単に変わって良いですね。

こんなに読んだ本がすぐに作品に反映されたのは、絵描きの軽いノリとはいうものの珍しいことです。だからというわけでありませんが、本を読むことは大切ですね。

ひとつこの本で残念だったのが、川の流れや地名など、すべて文字で書かれているので、東京に土地勘がない人には、たぶんわからないだろうことですね。

私に言えば地図などわかりやすく描いたのに(笑)。

▼こちら帚木蓬生先生・著「天に星 地に花」の巻頭にある拙画です。

 

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