一枚の絵を描くのに、どのくらい時間がかかりますか?
2日連続で前の記事の焼き直しですが、お時間のある方はお付き合いのホドを。
▲上の絵は、 拙著「堪能ルーヴル」のカバー絵に描いた作品です▼
ルーヴル宮の建物とピラミッド、そしてティツィアーノやヴェロネーゼ、フラ・アンジェリコなどルーヴルの巨匠のオマージュを自分の絵に組み込んだという、誠に図々しい作品ですね。
図々しく描いたわりに、締め切り前に急いで描きあげたこともあって、自分自身でこの絵はあまり納得していませんでした。
それでも出版物になったことで、原画がカバー絵と違っていたら都合がわるかろうと、上梓されてから今までずっと手を入れずにいたのですね。
ところが昨年、お医者のクライアントがこの絵を気に入ってくれたのですが、シエスタおじさんが浮いている様子を「縁起がわるい」ということで、別の絵を購入したのです。
まあ、何が売れてくれても良いのですが、意外な見方にけっこうびっくり!
その後、寝室にこの絵を置いて、見えるようにしていたところ、 やっぱり「おじさん」いらないかなって思うようになりました。
あれあれ、やっぱりない方がスッキリしますね。
ルーヴル前の人々やトマトにもちょっと手を加えましたが、こちらはあまり変わらないなあ。
絵というのは不思議なもので、描き込めば描き込むほど絵がわるく、つまらなくなることが多いものですが、それもやってみないとわかりません。
この絵を描いたのは2002年ですから、はや17年前か(遠い目)。
私は絵を描きあげると、あとは手を加えないことが多いのですが、あまり出来の良くない作品については、手を入れても良いかもしれない。
そんな風に思った次第です。