「奇想の系譜」展〜シルバーデイに行きました!

1970年に出版された美術史家・辻惟雄による、「奇想の系譜」を基にした、話題の展覧会に行ってきました。

キャッチコピーそのままに江戸アヴァンギャルドの画家8人〜伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、狩野山雪、岩佐又兵衛、白隠慧鶴、鈴木其一、歌川国芳。

サントリー美術館で開催中の川鍋暁斎もそうですが、近年は特に江戸の鬼才画家が注目を浴び、また人気の傾向ですが、それは見応えある展覧会でした。

若冲も蕭白、芦雪、其一などは、比較的目にする機会が多い画家ですが、それでも本展は「これが来てるか」と言いたくなるような逸品が揃っており、それはそれはお見事!

最初に展示されていた若冲は、六曲一双の屏風に並んだ「鶏図押絵貼屏風」が圧巻。
得意の鶏が十二羽、思いおもいのポーズで描かれた屏風は、まさに若冲面目躍如といった面持ちです。

また、ガマとフグが互いに相撲を取っている掛け軸は珍しく、一見若冲独自の才気走った絵に見えるのですが、熱心な仏教徒だった生きとし生けるものへの愛情のようなものを感じさせました。あの「果蔬涅槃図」に通じる一品ですね。

つづく曾我蕭白は悪趣味の極みと言っても良いでしょう。
「群仙図屏風」は極彩色の仙人たちが描かれた屏風絵ながら、若冲同様の仏心が随所に見られる大作です。

いや、この展覧会に集まった8人の画家全員に言えるのですが、高貴な下品さとでも言いましょうか。豪華さと奇抜さ、意外さ、才気走った絵筆の走らせ方が際立っていながら、ところどころに仏心が垣間見られるのが楽しいところです。

素晴らしい展覧会ではあったのですが、想定外だったのは、この日第三水曜日はシルバーデイだったことでしょうか。

65歳以上は無料になるという、大変有り難い日のため(ちなみに私は、まだその境地でありません)、40分の行列を並ばないといけませんでした。

昨今の展覧会で40分待ちは標準ですが、なにせお年を召した方が多いと、それは色々です。すぐによけられないためか、ガンガンぶつかってくる方の多いこと多いこと。

おかげで、岩佐又兵衛の絵巻などは、一部見るのをあきらめたほどです(笑)。

まあ元気な先達が多いのはけっこうなことですが、一部、こうなってはいけないという方もおりまして、自分がその年齢になった時に気をつけないといけないなと気持ちを新たにした次第です。

若冲、蕭白以外の画家に関しては、また後日記事にすることにいたしましょう。

上野は一部、桜が開花していて大勢の人で賑わっておりました。

まさに”Spring has come” といったところでしょうか。

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