2018年のシメは「フェルメール展」でした♪

話題のフェルメール展、行ってきました。

チケット入手方法が煩雑だ、予約制でも並ぶ、2500円と高い。
そう言われている本展ですが、結論から申し上げると絶対行った方が良い。
それが私の意見です。

周知の通り、現存する作品は37点と、レオナルド・ダ・ヴィンチに次ぐ寡作作家であるのに、その9点(1月9日までは8点)が上野の集まっていると言うことです。

前座と行っても差し支えない、6室に分かれたオランダ絵画を見た後、光の回廊を通って見るフェルメールはまさしく別物です。外国でご覧になった人も多いと思いますが、5都市に分散していたフェルメールが一堂に会する様子はまさしく圧巻。

見たことある方も行った方が良いと思います。

私がフェルメールの名を知ったのは、中学2年生くらいの時でしょうか。
親に買ってもらったダリの画集の中に、彼の名とデルフトの地名があったことで、興味を持ったことがあります。

ダリはフェルメールの熱心な信奉者でした。
彼はフェルメールが描いたデルフトの眺望を自分の絵の中にオマージュとして何度も取り入れていましたが、もしかすると今日のフェルメール人気を最初に拓いた人は、かのサルバドール・ダリだったかもしれません。

それにしてもフェルメール。
一見、何の変哲もない室内の様子を描いた作品なのに、不思議としか言いようのない空間です。それは、のちにダリをはじめとするシュールレアリズムの絵画に共通する「この絵の中に入ると、いったいどんな世界があるのだろう?」と言うことを、感じさせずにはいられません。

見る人を絵の世界に引きずりこみ、画家の目や脳の裏側に潜んでいる世界を、見る人に共有させる。それがある意味、シュールレアリズムの本質なのですが、フェルメールの持っている不思議な空間が、21世紀になってもダリをはじめ、多くの人々の心を捉えると言うのはきわめて興味ふかいことですね。

別の意味で興味深かったのは、左上の「牛乳を注ぐ女」の色が修復で明るくなっていたことでしょうか。

この絵は、私にとっては小学館発行の「美術の図鑑」を見て親しんでいた絵ですが、半世紀ほど前の印刷ではもっと茶色っぽい絵でした。
30年ほど前にアムステルダムで本物を初めて見た時も、色合いに関しては、そんなに違和感を覚えなかったのですが、今回の来日ではだいぶ明るくなっていて、あのラピスラズリの青もよりクリアに見えていました。

もっとも美術館というのは、けっこうマメに修復をするケースもあるようです。他の作品もこまめに直しているかもしれません。

ともあれフェルメール展、チケットのゲットと入場は思ったより面倒ですが、それでも行く価値アリです。2度と集まらない本展、東京が終わると大阪でも開催するそうです。

ぜひ足を運ばれてはいかがでしょう。

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