「茶碗の中の宇宙〜樂家一子相伝の芸術」見て来ました!

「茶碗の中の宇宙〜樂家一子相伝の芸術」見て来ました。
樂茶碗といえば、黒か赤の釉薬で焼いた、サントリー美術館で見るあの茶碗かというくらいの知識でしたが、秀吉から銘をもらった一子相伝の家系だったのですね。

初代長次郎の名前くらいは聞いたことがありますが、十五代を一堂に介して見るという機会はなかなかないでしょう。

解説によれば壮麗な桃山文化にあって、単色でムダを削ぎ取った芸術とありましたが、いやどうして。単色の黒や赤は壮麗そのものです。
初代の長次郎の作品は、経時変化か最初からそのように焼いたのか、光沢が少なく、そのような焼き物ですが、三代の道入のものなどは、まさに樂焼のイメージそのものといった華やかさを感じました。

それにしても樂焼が一子相伝とは!
それは450年もの歴史があって、 15人しかそれを作った人間がいないということ。
本阿弥光悦などが、樂焼のスタイルの作品を残しているものの、直系という人はその15人に絞られるということで、三代目くらい以降は、伝統を受け継いでしかもそれ以上の作品を作る苦しみなどが伝わってまいりました。

こういう家に生まれ、それを継いでいかなければいけないのは大変!
普通の家に生まれ、勝手に絵描きになった自分の家族に感謝です(笑)。

中でも面白かったのが、樂家当代にあたる十五代吉左衛門(吉右衛門ではありません。”きちざえもん”)の作品です。

こういうと失礼ですが、現代の陶芸などの工芸家作品はつるりとしすぎていて、つまらないものが多い中で、十五代吉左衛門さんの作品は一言で言えばアヴァンギャルド(笑)。

けっこう暴れ放題に作ってる感じが、なかなか楽しい。
フランスやアフリカで焼いた樂焼も、風土の感じが反映されて面白かったです。

ただ、十五代吉左衛門作品。
展示のおわりにやたら展示されていて、桃山時代の作品を堪能しようと入った私などには、 最後に全部持って行かれた満載!樂焼というより、十五代吉左衛門の個展を見たような持ってかれた感でいっぱいでした(笑)。

館内は茶道をされてる方が多いのでしょうか、平日の昼というのにけっこうな人でありました。

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