昨日は、サントリー美術館で開催中のエミール・ガレ展に行ってきました。
ガレは箱根のポーラ美術館をはじめ、さまざまな場所で見る機会がありましたが、その仕事の全容を目の当たりにするのは、はじめて…と、展覧会すべて見終わって、そのことに気づきました。
ガレといえば、霧がかったようなハーフトーンの磨りガラスに、虫や植物をほどこした上品なガラス作家。
そう思い込んでいたのですが、思いのほかゴテゴテとした悪趣味な作品が多いのにびっくり!
先日、同じサントリー美術館で開催された宮川香山の影響を強く受けた作品が多いのも驚きでした。虫や植物がガラスにそのままへばりついたような、立体的な作品は香山そのままではありませんか。
なかでも、おたまじゃくしがガラスにへばりついた作品(画像左から4番目)には「何じゃあ、これはあああああああああ!」と背筋に何かゾクゾクするものが・・・。
俗と聖がそなわったガレの作品。
ポーラ美術館に収蔵されているものは、その中で最も洗練された作品を選んでいたようです。
まさにマクベスの森の魔女が言う「きれいはきたない、きたないはきれい(Fair is foul, and foul is fair)」、そのままのエミール・ガレ作品。
美と醜が同居する、生命のエネルギーをそのままガラス作品に封じ込めた見応えのある展覧会でした。
ダークサイドをふんだんに展示した、サントリー美術館の企画にも拍手です!
(画像はWikipedia)