「天に星 地に花」は作家であり精神科医でもある、帚木蓬生(ははきぎ・ほうせい)先生の新作です。
今月はじめに集英社から発売されたばかりですが、私はその中の地図を担当いたしました。小説というのは、ロケーションの位置関係を読者に把握してもらうのが、苦手なので、それを補う意味でロケーションを描いてみました。
「天に星 地に花」は江戸後期の九州・久留米藩を舞台にした作品で、飢饉と年貢にあえぎ、一揆に蜂起する農民と藩の間に挟まれた医師の物語です。
帚木先生の時代小説には、「水神」という同じ地域を舞台に(時代は江戸中期くらい)。暴れ川と呼ばれた筑後川の治水を描いた作品があります。
これはその続編というか、同じ流れを汲む作品です。
ここでは、昔の人がどんなに苦労して収穫をし、年貢と戦い、病魔を克服していったのか。まさに、先人たちの礎あって、今の自分たちがあることを実感させてくれる小説です。ぜひご読一を!