山種美術館の「富士と桜と春の花」展、行ってきました。
面白い展覧会でした。
富士山の絵だけの展示だと思っていたら、「富士」と「花」の二部構成で、花はタイトルの通り、桜や梅など季節の花。
学生時代は富士も花も、俗な画題の代表としてバカにしていましたが、三十路近くになってからは、実は一番難しいテーマだと気づくようになりました。
昔、友人に「おまえは富士山を描かんのか」と聞かれたことがあって、「まだその度胸はない」と答えました。たぶん、一生描かんのじゃないかなと、この展覧会を見てふと思いました。
二部構成になっている展覧会ですが、圧倒的に花の絵の方が美しいのです。富士山は本物があまりに凄いので、絵画が実物を凌駕することはありません。
これが北斎や広重が描いた浮世絵だと、富士をデザイン化していて、実物と比較することはないのですが、現実の富士に似せて描いた日本画となると、やはり本物と比べてしまうのですね。
これが桜や梅の絵となると、少し勝手が変わります。
リアルの桜や梅は、そのまま撮影してもあまり絵にならないのです。
ですから昔から絵師は、現実の桜や梅の花より何倍も花びらを大きくしたり、デザイン化した花を組み合わせることで、その雰囲気や質感を出していたのですね。
富士山の場合もデザイン化して描く技法・・・頂上は三峰ではないのに、3つ峰を描くことでイメージ化されるわけですが、そちらはあまりに簡単にできるという逆の難しさもあるのです。
【実験】日本一大きい富士山ゼリーを作ってみた!
富士山ゼリーも富士に見えるわけですからね〜♪
この展覧会、GW過ぎまでやってますので、興味ある方はぜひ魚籃(ぎょらん〜ご覧)観音・・・なんて、ウフッ♪
↓ さて、こちら。手前味噌で申し訳ありません。
こちら私が28歳の時に描いた「 江戸桜花吹雪屏風」です。