昨日は猛暑の中の終戦記念日、「空海と密教美術展」を見て、そのあとで靖国参拝をしてきました。
いや空海と密教美術展、素晴らしかったです!
空海が若い頃にしたためた書。
マンダラ、鈷杵(とっこ)などの法具、仏像など、
唐から持ち帰った品々を空海自身が記録したという帳簿。
それが今回の展覧会において、いくつも展示されているという凄さ。
圧巻は展示の最後にあった東寺に安置されている何体もの仏像群ですが、
これぞ密教の醍醐味という感じで、
芋を洗うような人出の中、たっぷり2時間堪能しました。
加えて、昨日は「小暮、この仏像に勝てるか?」と言った空手家の友だちも一緒でした。
「この扇型の書、24歳の時に書いたんやろ(聾瞽指帰・ろうこしいきの原本)。
空海ってホントすごいな!」
「すごかろう」
「この書、いったい何書いてあんの?」
「仏教、儒教、道教の先生たちが、どの教えがすぐれてるか討論し、
けっきょくは仏教がいちばんすぐれていると説いてるんだよ」
「ふうむ、そら誰が一番強い?、ゆうみたいなもんやな。
今も昔も変わらんな」
うむむ、さすが空手家だけあって、すべての発想を格闘技に持っていくのですが、
中には侮れないコメントも。
「T川、この大日如来の印は忍者の印と一緒だな」
「せやな~。見てみい、大日さまは見事に体の正中線を守っとるわ。
こら完璧な防御の構えやで」
「ほう」
「それからこの帝釈天さんを見いや。少し小腹が出とるやろ。
これは完璧な腹式呼吸をしとるシルシやな」
ふうむ、言われてみればその通り。
天部と呼ばれる、仏の守護神たちは武道でいう防御のかまえを見事にしておりますし、
どれも腹式呼吸をされているようです。
密教は「言葉だけでは伝えられないもの」を重視する秘密の教えですが、
仏ひとつにも、そんな息づかいが込められているのですね。
考えてみれば、ヨガの呼吸法も源流は同じ。
密教が宇宙全体を表現するという、ひとつの意味を垣間見た気がいたします。
密教展を見たあとは、靖国に直行。
こちらのレポートはまた後日、お伝えいたします。