昨日は猛暑の中、「手塚治虫のブッダ展」を見てきました。
平日の午後、猛暑の中けっこうな混雑でした。
高齢の方から、私たちのような手塚世代はもちろん、
彼のマンガをリアルタイムで知らない若い世代のギャラリーも多く、
あらためて手塚治虫の偉大さを実感した次第です。
管理人は影響受けた作家3人挙げよと言われたら、
手塚治虫、赤塚不二夫、梶原一騎をあげる世代でありますが、
手塚治虫の「ブッダ」は、それこそ何度も何度も読み返した作品であります。
展示は手塚治虫の原画と、ガンダーラや飛鳥時代の仏像が並列されていますが、
違和感がなく、水木先生の「ゲゲゲ展」同様、原画の力を実感させるものでした。
展示の最後、ブッダが入滅する場面では、ある種の感動を覚え、
目頭に熱いものを感じさせるほどでした。
掲載された雑誌を見ると、”希望の友”とか”com”のように、今では廃刊になった雑誌がほとんどですね。
高度な内容から、「火の鳥」と同様、あの手塚ですらメジャー誌に掲載できなかったのでしょう。
それが30年以上の時を経て、こうした展覧会で復活するのですから大したものです。
(ただ映画の予告フィルムも流れてましたが、見る気が起きないのが残念。
なんで、手塚治虫の素晴らしい絵を、わざわざ、あんなイマドキのアニメ画にするんでしょうね。
ああいう絵でないと若い人が見に来ないのかな?
昨日、展覧会に来ていた若い層の反応を見ると、手塚の原画に近い絵の方が良いと思うのですが)。
マンガ自体は、釈迦の十大弟子のひとり、
ダイバダッタを元人殺しの大泥棒に仕立てていたりと、
実際のブッダ伝承に手塚治虫独特の脚色がほどこされています。
しかし、そうした脚色がまったく出鱈目というわけではなく、
ブッダの教えそのものを理解した上で行っているというのが、
さすが手塚治虫といったところでしょうか。
展示自体のスペースは小さく、見終わって余韻のあるうちに常設の仏像を見てきました。
節電で、常設はエアコンが効いておらず閉口しましたが、
合わせて見ると、また感慨深いものがあります。
「手塚治虫のブッダ展」は今月26日(日)まで。
混雑が予想されますが、まだの方はぜひ足をお運びください。
一見の価値ありです。
画像はパンフレットの右半分です。
英語版
はじめまして。アメリカ在住なのですが、手塚作品は英語版も売られています。ブッダは子どものころから大好きだったので、こないだ英語版を全巻そろえました。レビューを書きましたのでよろしければ。
http://adansonian.blogspot.com/2011/06/buddha.html
外国人も「面白い」と数日で読み終えていました。偉大です。ちなみにブラックジャックも買いました。
こちらこそ、はじめまして。
adansonianさん、おはようございます!
はるばるアメリカからようこそ!
手塚治虫は当然ながら、外国でも有名だそうですが、
マンガ家としてより、アニメーターとしての知名度が高いようです。
そんな中、ブッダの英語版とは面白い。
レビューも興味深く拝見いたしました。
ブッダのレビューではありませんが、学校では現代史は駆け足で殆ど触れないようにできているみたいですね。
ただ、戦時中にアジアで日本のやったことに執拗なのは半島と大陸の3国くらいで、
インド、タイ、ベトナム、台湾あたりは親日的ですね。
またのお越しをお待ちしています。