恐怖心について


むかし勤めていた会社に、新潟地震を高校時代に経験した女性がいました。
彼女は小さな地震でも大騒ぎをして、すぐに机の下にもぐり込んでいたのですが、
大地震を経験したのだったら、慣れて平気になりそうなものなのになぜ?
と、ずっと不思議に思っていました。

どうやら人間というのは、必ずしも辛い経験に慣れるものでもなく、
自分のキャパを超えて恐ろしい経験をすると、かえって怖くなるようです。

肉体は適度な負荷をかけると、筋肉でも骨でも強くなりますが、
負荷が大きすぎると、逆に筋肉が萎んだりケガをしたりします。
おそらくは精神・・・というか、脳も同じことなのでしょう。

阪神大震災以降は、PTSDという言葉が定着し、
そのことが知られるようになりましたが、
ただ、そこまでの経験をしていないのに、
過度に余震やら放射能情報に敏感な人も多いようです。

具体的に言えば、被災者の方々は大なり小なり心的外傷を受けているはずですが、
東京周辺に住む私たちは、液状化の影響を受けた地域以外は被災地区ではありません。

世の中にはつり革やドアノブに触れない人もいますから、
その辺りの恐怖感の違いは個人差があるでしょうけど、
あまり騒ぎ立てるのは如何なものかと思います。

あ@花さんのブログには
「自分の保身」を最優先させる考え方が、

放射能への過度な恐怖とかにつながり、
福島の人たちへの差別につながっている
と書いてあります。

たしかにこのような恐怖は、ひとつ間違えると単なる差別だけでなく、
関東大震災における朝鮮人リンチ事件や、
ナチスドイツのユダヤ人虐殺のような事件を引き起こします。

恐怖によって巻き起こる疑心暗鬼こそは、人を滅ぼす両刃の剣であり、
獅子をも殺す心中の虫にほかなりません。

あまり検証もせずに「政府は隠し事をして、ウソを発表してる」とか、
「海外の報道によれば、日本の放射能レベルはチェルノブイリ並」なんてことを、
並べ立てるべきではないと思いますが、如何なものでしょう。
たいていは、素人でも検証して計算すればデマだとわかるようなことばかりですね。

ジャーナリストの上杉隆氏は、
チェルノブイリの爆発が黒煙(粒子の細かい墨だから広範囲に拡散)に乗っかって
300km放射能が飛散したことを一言も書かず、
水蒸気爆発(墨のような拡散はしない)の福島原発と同等などとして、
記事を書いてますが、日本国民はそんな尻馬にのらないことを祈るばかりです。

写真は1Rゴング直後の佐藤幸治チャンピオンと挑戦者アルフォンスです。
このあと僅か2分ちょいで、挑戦者はKOされました。

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