こちらは今朝の日経に出ていた3Dによる超精巧なお面。
見てびっくりですが、お面をつけて歩いて気づいた人はいなかったとのこと。
理論的には色も形も同じに作れば、本物と見分けがつかないものができるはずですが、それにしてもここまで精巧にできるとは驚きです。
今のように多様性のあるアートの世界では、3Dによって画家や彫刻家が失業することはありませんが(そもそも3D登場の前に多くが失業状態ですが・・・)、フィギュア会社などでは、これから大きな影響が出てくるでしょう。
それに加えて、アートの世界でも3Dを使ったものがいっぱい出てくるでしょう。
不安もありますが、楽しみでもあるところです。
アートの世界において、実は19世紀後半にも同じようなことがありました。
これは拙著「堪能ルーヴル」でも記したことですが、印象派の登場にはその時代の科学技術の発展が背景にあったということです。
あくまで私個人の意見ですが、印象派登場5つの理由を並べてみましょう。
1、当時の画壇を牛耳っていた、保守的なサロン絵画に顧客もアーチストも飽きがきていた。
2、写真が発達し、必ずしも描写的な絵を描く必要がなくなってきた。日本の浮世絵がすんなり受け入れられたのも、そのあたりに理由があった。
3、コンパクトで持ち運びしやすいチューブ式の絵の具が登場し、油絵の具で野外の写生ができるようになった。
4、モーブやインディゴなどの化学染料が発達し、それまで出せなかった鮮やかな色が得られるようになった。
5、光と色の仕組みが解明されてきた(印象派の点描へとつながる)
気がつかれた方もいるかと思いますが、これは1を除いて、すべてが科学に関する理由であります。
19世紀もまた科学の台頭の時代でしたが、新しい素材や物質が登場した時代でありました。21世紀はデジタル技術という、別の意味の技術の台頭でありますが、どんな風に世の中が変わっていくのか。
わたしの場合、まだ3Dを使ってどうこうは考えていませんが、最近は少し長生きして、先の時代の変化が見られたら面白いなと思うこの頃です。
先にあげた2〜5については、後日詳しい説明をしたいと思います。
あわせてお楽しみに!