昨日はいつものアセナに、レベントシェフの新作料理が出されるということで、あ@花さんとお頭さんとで出かけました。
料理の名は「クルムズ・パンジャル」。
ロシア料理(正確にはウクライナ料理)に使われる、赤カブ・・・ビーツを使った料理です。
ビーツは和名は赤カブですが、食してみればわかるように泥臭さがカブの味はいたしませんで、これ、実はゴボウの仲間。
ビーツはトルコでさほど馴染みのある食材ではないそうですが、先日、レベントシェフがウズベキスタン料理店に家族で行った時に、「これで何か作ろう」と閃いたそうなんです。
一昨年、心臓病で死にかけたシェフですが、たぶんビーツに触れたとたん、自分の体に良さそうだと直感したんじゃないかな。本能と勘で生きているトラちゃんシェフのインスピレーションでしょうね。
赤い色素はベタシアニンといって、ポリフェノールの一種だそうで、キョフテのような挽肉の練り物とは相性抜群です。
見た目は濃そうな感じですが、高齢者でも美味しく食べられる薄味で、まるで宮廷料理の面持ちでした。
添えられた豆とポテトの相性は抜群、というか完全にビーツのソースとキョフテと渾然一体になっていました。
また、いつもは米とパスタを使ったピラウのかわりに、付け合わせは小麦の原種、スペルト小麦の仲間を使ったクスクスに似たピラフは、メインのクルムス・パンジャルの上品な味に対して、美味しんぼで言う野趣溢れる味わいで、素晴らしいコントラストをなしていました。
ビーツの土臭さはまったくなく、おそらくは赤い色素から出ている酸味とキョフテが一体化して、今まで食べたことのない味になっていました。
レベントシェフのすごいところは、食べたことのない味を演出する、イマジネーションですね。日本とトルコの味覚の違いもあるのでしょうが、酸味の使いかたが抜群です。
この日は日テレのクルーが撮影に来ていて、店も超満員ということで、レベントシェフ、たいそうテンパっておりました。
「お、お、いつもと違うね」
「ホメると伸びるトルコ人」
3人でウケていると、人がひけてからシェフがやってきて、何やら怒ってます。
「マスオさん、ヒドイヨー! 人が一所懸命やってるとこ笑ったりして〜」
おお、トラちゃん。
テレビクルーの前でいつもと違う様子をからかわれたと思って怒ったのね。
失礼、失礼。
一通り、料理を絶賛し(その通りですが)、デザートにビーツを使った、伸びるトルコアイス・ドンドルマを注文すると、帰る頃は機嫌が直ってくれました。ビーツのドンドルマも伸びる食感とほのかな甘みが大変美味しゅうございました。
いや〜、ホントにキャラ立ちしてるとは、こういう人のことを言うのね。
綾子さんは4月に第二子をご出産予定ですが、それにもかまわずお二人でアセナ名物・夫婦ゲンカ・・・じゃない、夫婦漫才♡
あとで聞いたら、この日はお二人の結婚記念日だったそうです。
書きかけです