孫成順さんの北京料理

連日、食べ物の記事でスミマセンが、先週食べに行った孫成順さんの料理があまりに素晴らしかったのでご紹介したいと思います(出された順番通りではありません)。

↑ こちらはフカヒレと卵白のスープ。
フカヒレの最高級品は形がそのままで出てきますが、こちらはフレーク型なので、そこまでがいかず。

その分、卵白とコクのあるスープを使い味わいを出しています。

↑ で、こちらが孫料理長 スペシャルのかに玉。
普通のかに玉と違うのは、卵白のみを使用しており、何とも品の良い味わいを出していること。

孫さんの料理は、北京料理をベースにしたシノワ・キュイジーヌ。
いわば、新しい中華の創作料理といえますが、巷にある 凡百の創作料理とはエラい違い。

こう言っちゃ何ですが、創作料理というのはだいたいにおいてロクでもないものが大半です。
なぜって、料理というのはある意味、化学の一種です。

この素材を、どういう大きさと形に切って、どれだけ塩を使い、どういう温度で何分加熱したら、こういう味になる・・・というのを長年にわたって、一流の料理人たちが追求に追求を重ねて完成させてきたものです。

そこには、この味になるためには、こういう理由があるという論理的な裏付けがあるわけで、思いつきで創作料理を作っても美味しくなるワケがありません。

↓ 順不同ですが、こちらが前菜です。

当然ながら孫料理長 の料理は、バックにある中華の引き出しがまったく違います。そこには徹底的に修行して研鑽したものがあるため、残すべきものと、加えるべきものがハッキリわかっているわけです。

アル・ケッチァーノの奥田シェフは、創作料理を作る時、カブならカブをイヤになるまで食べるそうです。もう食えないという段階に来た時、この素材と一緒に食べたなら、もう一口食べることができる。

そうやって、合わせる素材を見つけるそうですが、イマジネーションに溢れる孫さんの料理もそういったものを感じ取ることができます。

↑ こちらは生アワビの蒸し煮。
中華で珍重されるのは干しアワビですが、アルデンテの食感を残すためにあえて生アワビを使用。
濃厚なソースとの相性も抜群です。 

↑ で、こちらは北京料理の定番、北京ダック♪

北京で食べるより正直、美味しい!
良い料理人は、豊かな街にやってくると言いますが、北京生まれで北京料理を研鑽した孫料理長が、東京に暮らし、この街で店を開くというのは、彼の作りたい料理が東京だからこそできるのでしょう。

そういう意味では、わが街東京も捨てたものではありません。

以前、北京ダックというのは、皮だけ食べて肉は捨ててしまうと言われてましたが、それは使用するアヒルの肉が良くなかった時代の話。

今では本場、北京でも肉も食べますが、この日の北京ダックも最高。
塩と砂糖、黒いソースの3種類で食します。

↑ こちらも孫料理長の真骨頂。
豆腐の中に白身魚のすり身を入れた逸品。タケノコと青梗菜の付け合わせも抜群。

孫料理長の店、以前六本木の別の場所にあった時に何度か行ったことがあるのですが、今回のようなおまかせははじめて。

以前はもっと安価だったのですが、あえてこの時代に妥協せず、自分のやりたい料理を作ろうというシェフの心意気が伺えます。

↑ そして、こちらが何とあのエビのチリソース炒め!

大振りのクルマエビをステーキにして、チリソースで和えて食べる今までに食べたことのないエビチリです。

これは親友のエビ業者に食べてもらいたい味だなあ♪
そして〆はカキを使った中華そば。

もう食えんと言いたいところですが、食べたあと胃にまったくもたれないのが不思議です。

こんな食事してたら、また痛風はブリ返すよと言われそうですが、未だ再発はせず。
翌日ジムで秤に乗ったら、不思議と少しだけ体重が落ちていました。

余談になりますが、痛風発症以降は毎日、体重計に乗るようにしてるのですが、いちばん体重が増えるのが、和民とか魚民と言った外食居酒屋チェーンで飲み食いした翌日。

同じ外食でも、ちゃんとした素材を使った店で節度ある食べ方(この日の食事が節度あるとは言いませんが)をすると、そんな目に見えて増えることはありません。

意外に体重が増えるのが休肝日の翌日。
これは甘いものを食べたり、余分に食べるせいでしょうか。

さて、食後にデザートをいただき3時間以上にわたるディナー、これにて完了。

孫料理長、どうもごちそうさまでした♪

孫成順さんの北京料理” への4件のコメント

  1. >創作料理というのはだいたいにおいてロクでもないものが大半です。

    まったくでぇい。

    >そういう意味では、わが街東京も捨てたものではありません。

    本場に行かないといけない、という意見は御尤もです。
    それが本場の味だからです。
    然し、お口に合わない、ということは有ります。
    日本人の口に合う、美味い料理は日本、東京でしょう。
    「旨味」を知っている民族は数えるほどですが、
    群を抜いているのは、我々です。

    料理、調理は化学、御意であります。
    加熱も4タイプ、焼く、煮る、蒸す、揚げる、だったかなあ?
    そして素材の良さ。
    大陸がイチャモン付けてるようですが、なんだヤッパ日本ジャン。
    (ホントに美味いもんには、国境は無いですぅ。)

  2. こんにちは。先日は一緒に行って頂き、ありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
    とても良い誕生日プレゼントになりました。
    やっぱり何度食べても孫先生の中華が一番おいしいです(≧∇≦)
    この料理を食べる為にお仕事頑張ります( ̄^ ̄)ゞ

  3. お頭さん、おはようございます!

    >「旨味」を知っている民族は数えるほどですが、
    >群を抜いているのは、我々です。

    御意にございます。
    そもそも孫さんほどの料理人がなぜわが街東京を選んだのかといえば、そこにあると言って良いでしょう。

    お金?

    もちろん、それもあるでしょうけど、本国で上手にやった方がもっと稼げるかもしれません。
    それは自分の料理を理解してくれる、質の高い客が大勢集まる街だからにほかなりません。

    いささか自画自賛になりますが、わたしはそのように考えています。

  4. Aiさん、おはようございます!

    こちらこそ、素晴らしい料理をご紹介くださり、ありがとうございました。

    >とても良い誕生日プレゼントになりました。

    別にご馳走したわけじゃありませんので、礼にはおよびません(笑)。

    それにしても孫料理長の晩餐、別次元でした。
    素晴らしい料理人なのは知ってましたが、期待以上でした。

    また行きましょう。

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