五味弁当、五色弁当


一昨日、陰陽五行説と五色弁当の話をしましたが、今日もその続き。

そーいえば、ちょっと前の韓流ドラマ「チャングムの誓い」の韓国宮廷料理には、
医食同源ならぬ薬食同源というのが出てきますが、
その中では五味五色というのが基本になっています。

この五味というのは、辛・甘・酸・鹹(かん/しょっぱい)・苦のことで、
五色とは青・赤・黄・白・黒のこと。
この五味五色をまんべんなく食べれば、健康でいられるというそうです。
もちろん、基本は中国から来た陰陽五行説。

で、そのルーツといえば、古代インドはアーユルヴェーダの医食同源に共通するものみたいです。
昔から日本にあった養生法には、
漢方だけでなくアーユルヴェーダにも共通するものが多いと言われていましたが、
韓国にも源流を同じにする考え方があったわけですね。

アル・ケッチァーノの山形イタリアンで興味深いのが、
コースで見ると、この五味五色を網羅してるんだけど、
一皿一皿を単独で見ると、同じ色調と味の材料で統一していることでしょう。

たとえば、インゲンとアワビのリゾットでは、
インゲンの緑に、ルッコラペーストの緑を合わせ、
アワビの肝の苦味に、ルッコラペーストの苦味を合わせている。

同系色の色どうしを合わせると、栄養素も味も打ち消し合わず、
同系統の味覚どうしを合わせると、味もマイルドになるという考え方です。
(さらにそこに食感の違う食材を投入する)。
そうすると3種類ほどの食材と、最小限の塩で最大の味が広がるというわけで、
カロリーも控えめになるわけですね。

韓国料理だと、すべての食材をまぜまぜして食べますが、
日本料理やイタリアンは一皿一皿、最小限の食材を生かして出す傾向が強い。
どちらが優れているかは決められませんが、食の好みが距離に関係しない点が面白い。
さらにインド料理、中華料理はまったく違う展開をしているのが、さらに興味深いです。

写真は羽黒山近くにある蕎麦屋さんの山菜蕎麦と肉蕎麦。
それに直販場あねちゃの店です。

五味弁当、五色弁当” への2件のコメント

  1. 味覚
    夫のお弁当 五色を意識して作ってます。今朝はとってもきれいな五色でした。ひじき煮付け ほうれん草ごまあえ 卵焼き 鮭 麦入りご飯!
    ところで 五味を理解できる民族って 沢山いるのでしょうか… 。日本語には 味の表現が沢山ありますよね。筍などのえぐみって外国で どう表現するんでしょうかね
    五臓でいうと 私は寒さに弱いです。だから 肺に気を遣ってやらねば。
    風 寒 暑 湿 燥 は普段私も よく 家族や患者さんに声をかけてます。
    健康の基本のように思います。
    で 味に戻りますが 私の死水には オコゼのお味噌汁がいいなと思ってます。
    また 突拍子もないと思わないでくださいね。田舎者ですので… (って誰か言ってましたね)スミマセン。

  2. ウマミ・ジャポネーゼ
    いっちゃん、おはようございます。

    五色弁当作ってるんですか~。偉いですね~。
    でも、この方式は見た目も美味しそうだし、
    健康にも良いからオススメです。
    何より作る方も楽しいしね。

    で、質問の答えですが、五味を理解できる民族は
    かなり差があると思います。
    アーユルヴェーダでは辛・甘・酸・鹹・苦の五味に、
    渋が加わりますし、
    われら日本人には「旨み」という要素があるので七味になりますな。

    この旨みというやつは、日本人によって発見され、
    味の素の2代目社長によって工業化された、味の要素です。
    主な成分はグルタミン酸ナトリウムですが、
    なんかそれ以外にも複雑な成分があるみたい。
    外国でも”umami”だそうですから、やっぱり日本の食文化って凄いんですね♪

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