裏切り癖、自作自演癖


昨日の話の続きになります。
黒澤明の「椿三十郎」の中で、口のわるい椿三十郎にハラを立てた若侍に、
奥方が「あれはあの人の癖なんですよ」とかばってくれる場面がありました。
(織田裕二・主演の新作も同様)。
そうなんです! それを癖というのか、遺伝子というのか、性格というのか・・・
人間の行動というのは、変えられない何かがあるんですね。

たとえば、私の知り合いの知り合いの女性ですが、この人は「裏切り癖」があるそうです。
最初は仲良く接してくるんだけど、つきあっているうちに必ずいじわるをしてくる。
(また聞きです。男性相手だと、また行動パターンが変わる)。
いじわるをしたあと、必ず「ゴメンね」とフォローするのですが、
また同じことを繰り返し、挙げ句の果てに大切な友人を裏切ったりする。

それから男性の例ですが、自作自演癖とでも言いましょうか。
昔、大手自動車メーカーのデザイナーをやっていたOくん、
上司のA氏に、ある車のデザインをトレースすることを命じられました。
陳腐なデザインを訝しく思いながらも、言われた通りにトレースすると、
次はトレースしたものを持って、企画会議に出るように命じられます。
会議の席で上司いわく。
「これがOくんのデザイン(トレースを命じられたもの)。
 こちらが私のデザインです」
上司A氏の上司、B氏いわく。
「さすがはAくん。それに比べてOくんはまだまだだね」

私はこういうのが、人間の癖(あるいは業)なのではないかと思ってます。
これらは本人が自覚してる時と、そうでない時があるみたいですが、
なかなか性根が直るものではありません。

実は絵を描いたり、文章を書いたりする時もこういった癖が出ます。
「個性」とか「オリジナリティ」といえば、体裁は良いですが、
私はそれを”性根”の一種だと思っています。
それは個性と呼べるところまで昇華されたり、
癖のまま、その人の中に居座わったりと色々ですが、本質はなかなか変わりません。
よく「性根がくさる」なんて言いますが、昔の人はよく言ったもんだよな~。

写真は修復をたのまれた「なまけ蛙くん」、レアもののブルータイプです。
まだ名前がありませんが、オーナーさまのご主人がボクシング好きなので、
ロッキーくんにしようかなと思ってます・

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