昨日はつくばエクスプレスに乗って、永沢家&広田家(仮名)の結婚式。
終点のつくばから、さらに送迎バスで30分ほどかけて筑波山神社まで出向きました。
実は永沢家も広田家もつくばに一族がいるわけでも何でもありません。
それがなぜ挙式&披露宴がつくばで行われたかというと、
花嫁の広田絵美さん(これまた仮名)が十二単で式に臨むためだったのです。
絵美さんはNPO関連の仕事をしていて(これまた少し違うのですが)、
その関連の友人に宮内庁で着付けをされている専門家がいて、
それなら、ぜひとも十二単で結婚式に臨んでみようとなった次第。
着付けの先生がつくばの人というのが、式場を筑波山神社にした理由なんですが、
それだけではなく、数千万もする十二単の衣装は保険に大金がかかるため、おいそれと持ち運びはできない。
そこでごく身内の人だけ集めて、つくばの地で平安時代の衣装でお式をとりおこなうことになったのです。
式の前には、特別に十二単の着付けを公開していただき、写真に収めることができました。
たいへん珍しい画像なので、ぜひご覧ください。
(画像をクリックすると、拡大されます)。
花嫁の絵美さんも十二単がよくお似合いですね。まさに源氏物語の世界に登場する女性さながら。
私は以前、源氏物語をテーマに絵画作品の制作をしていたことがありますが、
恥ずかしながら、本物の着付けを見るのは今回がはじめて。
けっこう、いい加減に描いていたなと反省する一方、平安時代の文化に脱帽です。
まさに源氏物語の世界そのままですね~。
それにしても花嫁の絵美さん。
NPOの仕事でガーナや英国に暮らしていた経験のある、たいへん活動的な人ですが、
十二単のように非活動的の極致みたいな衣装に惹かれるところが、人間は面白い。
まあ、源氏物語に登場する女性たちも、自由奔放な人たちは少なくありませんから、
そんなに矛盾しないかもしれませんね。
披露宴はつくば駅近くの山水亭で行われました。
お日柄も良く、素晴らしいお式でございました。
十二単
美しい、実に美しいです。
裳裾までつけているのは正装で、
今のやんごとなき方の結婚衣装と
ご一緒ですね。
衣装の重ねの色合わせに感服です。
臙脂に近い紫と朱色は難しすぎて
普通は合わせられない。
でも中の緑色が抑えて
華麗におさまっているのは、さすが。
平安時代の住宅は寒かったので
着ぶくれて凌いでいたのでしょう。
着重ねの色あわせに季節ごとの
なまえを付けたりして、
着ぶくれを文化に高めた優雅さ。
でも美しい花嫁さんは
さぞかし暑かったでしょう。
筑波山神社では
やあやあ、すずめさん。
ようこそいらっしゃいませ!
和装服飾デザイナーとすると、
この十二単は私たちではわからないことも
ずいぶん見えるのではないかと思います。
花嫁さんは緑の好きな方だそうで、
季節ごとにある「襲の色目」(かさねのいろめ)から、
夏の緑のグラデーションを選んだのだそうですよ。
筑波山神社では大勢の観光客が
物珍しげに十二単に見入っておりました。