映画「禅」を見て


昨日は銀座シネスイッチに映画・禅を見に行く。
仕事に必要があって、あまり期待もせずに見に行ったのだが、
良い意味で期待を裏切られた。いや実に気持ちのよい映画でした。
永平寺の開山であり、曹洞宗の開祖・道元を主人公にした作品で、
聞くと退屈で説教くさいものになりそうなものだが(そういう部分、なくはないが)、
志の高さが全編つらぬかれている。
道元というと、ひたすら座禅に打ち込む只管打坐(しかんたざ)を説いたことで知られ、
近寄りがたいイメージがあるが、中村勘太郎の道元はやさしい道元さんで、
なかなかフレッシュで好感がもてる(81年生まれ。道元入滅の場面はやや無理がある)。

だが、たしかに道元さんというのは、本当にやさしい人だったかもしれない。
鎌倉時代の武士は人の命を簡単に奪う一方、自分の命も粗末にしたという。
そんな時代にあって、貧しい人や救われない人を真剣に助けようとして、
一生をそれに捧げたわけだから、何とやさしさ、というか慈愛に満ちていたというか・・・
今の時代が時代なだけに、そんな単純な感想を抱いてしまった次第だ。
また最後の場面、子供のセリフが秀逸(映画を観てください)。
いまいち感心しなかったのは、藤原竜也くんの北条時頼。
いくら若い時とはいえ、北条家の執権の中でも傑出した人物として知られる時頼公が、
実に情けないし、実に軽い。
もっとも曹洞宗から見た北条時頼は、あまり良く描かれないことが多いから、あんなもんなのかな~。

平日の昼ということもあり高齢者が多かったが、けっこうな入り。
私の後に座ってたおばあちゃんの私語がうるさく、
「まあ、おとうさんそっくり」(勘太郎の父は、歌舞伎役者の中村勘三郎)とか
「意外と声が高いのね」など、頭に浮かんだことがそのまま言葉になってる、脳波ダダもれ状態。
よほど注意しようと思ったが、たぶん言ってもムダだと思ったので黙ってた。
(ホントはそれも良くないんだが)。
映画を終わってから顔を見たら、かなりのご高齢で、
映画に満足したのか満面の笑みを浮かべてる。
うーん・・・やっぱり注意しなくて良かったのかな~。

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