昨日は散歩がてら、丸の内に移転した静嘉堂文庫美術館に初めて行ってきました。そういえば静嘉堂文庫、世田谷にあった時も行ったことがなかったな。
前回展示していた刀剣は見逃してしまいましたが、今回、岩﨑彌之助・小彌太の父子二代が蒐集した、茶道具の名品を紹介した『眼福』です。
茶道具というのは、ある意味究極のアートかもしれません。
価値を感じない人には一門の値打ちもない。
価値を感じる人には私財を投げ打っても手に入れたくなる。
「なんでも鑑定団」などでは格好のネタですね。
200万円で買った茶道具が、千円になったり、1千万になったりとか。
見たところ、ただの茶入れですが、所有者を見ると足利義満〜義政〜山名豊重〜悪名高き松永弾正〜織田信長〜豊臣秀吉〜秀頼〜徳川家康〜岩崎彌太郎〜小彌太〜静嘉堂…やて。
いや、所有者が足利将軍から戦国の三傑の手に渡って転々とした文字通りの大名物(おおめいぶつ)ですね。
静嘉堂の解説ではじめて知ったのですが、こうした名品には3つのランキングがあるそうです。
1、大名物 利休以前の名品。
2、名物 利休の時代に著名だった名品。
3、中興名物 利休以後の名品で、小堀遠州が好んだものが中心。
こうやって見たところ、価値があるんだか、ないんだかわからない?
ただ、静嘉堂が所有しているから凄い名品だって、みんな納得しながら見ているのでしょうが…こうやって見ると色艶といい、形といい、その辺の土産屋さんで売ってる千円そこそこの品とは、明らかに違いますね。
ただ、こういう渋い茶器は数見てこないと、なかなか良さはわかりませんね。
茶道自体がそういうものでしょうから。
本物は撮影禁止だったので、ミュージアムショップにあったぬいぐるみでガマン(笑)。
茶器の類は目利きでないと、その価値を計りかねるものが多かったのですが、この曜変天目は明らかに誰が見てもすごい!