サントリー美術館「四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎」展、見てきました〜渋い、しぶい、シブイとしか言いようのない展覧会でした!

昨日は雨上がりの曇天の中、「四百年遠忌記念特別展 大名茶人 織田有楽斎」展を見てきました。

いや〜、渋いだろうなとは予想していましたが、思った以上に渋い、しぶい、シブイ展覧会でした。

とにかく書状が多い!
しかも、その書状が織田有楽斎本人のものはもちろん信長、秀吉、家康といった戦国三傑、福島正則、細川忠興、金地院崇伝など、錚々たる人々のものだったりするので驚きです。

とはいえ、その書状が磯田道史先生のように読めるわけでなし。
丁寧に書状の内容などが添えて書かれているので、 読んでみると、日常のご挨拶やお礼だったりと、意外に他愛ないものですが、細かい気持ちのやりとりが伝わってきて、歴史上の人々が身近に感じられます。

それにしても茶道とは何と不可思議なもの。

実態があるようで、なく、実態がないようで、ある。
実際に私は茶道の経験がないので、良いもわるいもわからないのですが、茶道具などにふれるたびにそう思う瞬間があります。

今回の展覧会でも有楽斎の孫にあたる織田三五郎が、千両もの大金を借りるにあたって、茶入れの壺を担保にする書状があるのですが…現在でいえば1億円にもあたる大金が、この茶入に…などと、一瞬思った次第です。

アートを生業にする者が、こんなことを言うのも何ですが、人によっては茶杓などは「こんなん、でっかい耳かきやで」と言いそう(なぜか下手な関西弁)。

茶道具は単独の美術品としての価値だけでなく、そこに関わった人々や、その場の雰囲気を包括した総合芸術か?

いやいや、茶道をアートの面だけでとらえるのは、絵描きの我田引水かもしれません。

なにせ芸術をたしなむ場ばかりではなく、政治の場としての場所でもあったわけですから、アートの面ばかりで「茶」をとらえるのは違うのかもしれません。

今回の「織田有楽斎」展は、登場人物たちから見て、まさにそれを示したものと言えるでしょう。

万人向きではありませんが、歴史と芸術の両方に興味ある方は必見です。

 

 

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