昨日、CSで「ロッキー」の1作目を放映したので、久しぶりに見てしまいましたが、いや引き込まれたなあ!
今回初めて気づいたのですが、ロッキー1作目の何が凄いって、全編映っているのが、まだ成功する前のスタローンだということです。
周知のようにシルベスター・スタローンがハリウッドのビッグスターになったのは、ロッキーの大ヒットがきっかけで、その前は誰も知らない役者でした。
ロッキーの公開は私が高校生の時でしたが、その時にみんな「ロッキーの役のヤツは、ビリー・ジョエルに似てるな」とか「いや、ポール・マッカートニーに似てる」とか、そんな感じでした。
そもそも、スタローンは自分で書いた脚本を持ち込んで、主演もついでにねじ込んだんだよね。最初は単館上映かなんかだって話だったしねえ。
今では知らぬ者のいないスタローンですが、映像というのは恐ろしいもので、1作目のロッキーに映っているのは、無名感とでも言いましょうか。売れるんだか売れないんだか、わからないような役者の姿がそこにはありました。
そんな感じのスタローンは、この映画でしか見られませんが、だからこそこの映画は良いんだよね。
制作費が少なかったためか、地味そのもので、作り込んだ感じがまったくありません。
最後のボクシング以外、こんな地味な作りの映画がよくヒット…というか、その真価がわかった観客が一番凄いと思います。
良い作品が必ずしもヒットするわけではないけど、やっぱり観客にごまかしは効かないんだよね。
音楽のビル・コンティの仕事にしても、ギャラなんか安かったと思うけど、最高の音楽を提供してるのが、それを物語っていると思いました。
スピルバーグが、「スタジオで完璧な砂漠をCGで作ろうとすれば出来るけど、観客にはなぜか、それがわかってしまう」という意味のことを言ってますが、それは本当だと思います。
先日の澪つくしでもそうですが、まだ無名だった沢口靖子の存在感に同じものを感じました。あ、演技力もね(笑)♪
比較になりませんが、私も仕事に嘘だけはつくまいと、心にもう一度唱えた次第です。