一昨日は猛暑の中、リニューアルした東京駅グランスタに行ってまいりました。
お目当は奥田シェフプロデュースのパスタ専門店、「TO今日BAR」です。
シェフの新著「ゆで論」で、先日、本当にホントの脱稿を済ませたばかりなので、実際に今度できるお店がどんな感じなのか、食べてみたかったのです。
イタリアンでパスタを茹でる時は、通常、湯に対して1%(重さ)の塩を入れます。
この分量だと家庭で作る時、人によってはしょっぱい感じを受けるのですが、実際に作ってみるとこの塩の量が適量なのです。
ところが、奥田シェフが使う塩の量は2.5%と濃い目。でも、これをそのまま出すのではなく、ある程度茹で上がったあと、 真水のお湯を通すことで、塩味はもちろんちょうど良い食感のパスタを生み出す手法を用いています。
湯どうしの時間はソースによってまちまち。詳細は「ゆで論」でご確認くださいませ。
元来、料理は化学なので、理論通りに作れば美味しく同じものができます。
もちろん、そうはいかないのが技術の違いなのですが、 奥田シェフのお店はどこでも、この手法を守ってプリッ+モチモチ食感のパスタを出しています。
もちろん、こちらTO今日BARでも期待を裏切らないお味でした。
通常、スパゲッティ・ポモドーロはソース状になったものを使うのですが、こちらは形を崩さずに火を通したトマト。
井上農場は7月の洪水で被害を受けたそうですので、そんな意味もあって注文したのですが、いや〜、そんな中で立派なトマトを育てたものです。
濃厚なクリームがパスタにからみ、トマトパスタとは、まったく別の味わいです。
ニンニクを使わず、ソースにカリフラワーを使った独特のソースが素晴らしい。
▼そして、食後のドルチェにアル・ケッチァーノ名物ズコットを頂きました。
ミルクじたての柔らかい生地に、ナッツなど歯ごたえのある食感がミックスして、久々にこのお味を堪能。
ズコットとは「法王の帽子」という意味で、ホールの状態だと、ちょうどそんな形をしているところから名付けられたイタリアの甘味です。
以前は流通の関係からか、東京では食することができなかったのですが、食べられるようになって感激!
お店に立ち寄った方は、ぜひパスタと一緒にこのズコットも召し上がってください。
東京グランスタに出来た「TO今日BAR」は、以前銀座のヤマガタ・サンダンデロで腕をふるっていた土田シェフが移ってきました。さすが元パティシエの土田シェフですね。
私の持論なのですが、甘味とスープが上手な料理人は、何を作らせても旨いものを出しますが、まさにこちらはその通りでした。
そろそろ完成する「ゆで論」を前に、奥田パスタを堪能した次第です。
東京駅の構内にありますので、何かのついでにぜひお立ち寄り頂けると、ちょっと別次元のパスタが味わえます。ぜひご賞味あれ!