「恐怖の報酬」、エクソシストのウイリアム・フリードキン監督による、1977年のリメイク版が40年ぶりのリバイバルと聞き、行ってきました。
ざっくり物語言うと………
南米で起こった油田の火事を消し止めるために、300km先の現場までニトログリセリンを、別々の理由で集まった四人の犯罪者がトラックで運ぶと言う内容です。
この映画のオリジナルは、「七人の侍」と同じ1953年に作られたイヴ・モンタン主演のフランス映画で、私の子どもの時分にはよくテレビ放映をされていたもの。
そのリメイクがフリードキンによる本編というわけです。
アンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督によるオリジナルは、名画の誉れ高いモノクロ作品でしたが、フリードキン版は公開当時、評論家からクソミソに言われたこともあってか大コケ。
現在の価格で100億もの製作費をかけた大作でしたが、スターウォーズの大ヒットとカチ合ったり、監督に無断で30分カットされた短縮版が公開されたりと、コケるはモメるはと言う、曰く付きの映画だったようです。
私も未見だったこともあり、長らく金をかけた駄作だと思っていたのですが、実は最近になって、評価の高い傑作らしいと聞いてびっくり!
タンジェリン・ドリームの音楽は何度も聞いていたのですが、当時の低評価に尻込みして見ていなかったので、フリードキンによる完全版とやらを見に行きことにしました。
見れば、なるほどの傑作でした!
(本作がどう傑作なのかは、ネタばれになるので、皆様には劇場に足を運んで頂くか、いずれDVDで見ていただきたいと思います)。
モノクロのオリジナルとは、まったく違う仕上がりだったので、評論家に嫌われたと言うこともあるのでしょうね。
実はフリードキン監督、エクソシストの呪いなのか、あの映画を作ってからと言うものトンとついてなかったようです。
▼こちらの記事にもあるように、ドミニカ共和国で100万ドルの吊橋のセットを作ったのに、川が干上がってメキシコで作り直しや撮り直しを繰り返しそうです。
制作遅延と予算超過を繰り返していくのに、フリードキンは「呪われている」と思ったとか。
40年経過して、ようやく呪いが説かれたのでしょうか。
それにしても、作品の真の評価とは時間が経たないとわからないもの。
先日、CSで「サスペリア」のオリジナルを見てしまったのですが、意外に良く出来ていたのに驚きました。
こちらは大ヒットしたものの、評論家からクソミソに言われた作品ですが、思ったより格調が高く、後年キューブリックの「シャイニング」が、こちらの影響を受けたと思われるカットがいくつもあって、こちらも驚きでした。
まあ、脚本は結構ザツでしたけど、さすがイタリア人による映画。美術のセンスの良さは目を惹くものがあったなあ。
こちらもリメイク版が公開とのこと。
ちょっといってみようかな。