「ダ・ヴィンチ・コード」を見て

今日は嫁の休みに合わせて、六本木にダ・ヴィンチ・コード展とダ・ヴィンチ・コードを見に行く。
原作は2人ともすでに読了。ダ・ヴィンチ・コード展は、レオナルドの作品を中心に(もちろん本物ではない。ほとんどがスクリーン)展示されてあり、なかなか面白い。さらにレオナルド・ダ・ヴィンチに対する尊敬の念を深くする。
原作はレオナルドその人の話があまり出てこないが、映画も同様だ。とかく評判の良くない映画だが、思ったより面白く見ることができた。長い原作を端折っていて、ややもすると筋だけ追う展開なのは否めないが、ルーヴルをはじめとするパリの撮影やロンドンロケなど、観光映画として見るとなかなか楽しめる。でも、トム・ハンクスの髪型は評判通りひどいかな。
さて、巷で論争が絶えない、キリスト&マグダラのマリア結婚説の真偽だが、日本人の立場として見れば、どうでも良いといった感じがする。個人的にいえば、現在のキリスト教が説いてる歴史観が本当とは、たしかに思えないフシもあるけど、だからといってキリストが結婚して子供がいたという説も、どーもねえ・・・。
ただ、レオナルド・ダ・ヴィンチがアンチ・クリスチャンだったというのは、私も同感。この人の持つ科学者の目と、キリスト教の教義とは、どう考えても相容れないものがある。
以前、同じ森美術館で見た「レスター手稿展」では、ヴィンチ村で発見されたカニの化石が展示されてあった。レオナルドの時代からヴィンチ村では、内陸だったにもかかわらず海の生物の化石が多く出土されていたそうだが、彼はそれをノアの洪水によるものではない、と説いていたそうだ。
水の流れを研究していたレオナルドは、いくら大きな洪水でもヴィンチ村まで水が上るはずがない。そうではなく、昔、その地が海だった、ということを仮説として考えたそうだ。
これはもう完全に科学者の目。聖書の教義より、科学的考察を信じたというわけですな。だからといって、レオナルドが神を信じていなかったというワケではないんだろうが、当時とすれば聖書に背くとんでもない考えだったんだろう。真実は孤独ということを地で行っていた天才だったんですな~、レオナルド・ダ・ヴィンチという人は。

「ダ・ヴィンチ・コード」を見て” への2件のコメント

  1. 血脈…
    また、お邪魔致します。

    あっしも見ましたぜ。
    カンヌでボロカス…って聞いていたから期待していなかったら
    何と、結構面白かったではないですか。
    観光というより、あっしはサスペンス映画として、かなり上出来だったと思いました。

    映画のところどころで、過去のカトリックの蛮行が描かれていますね。まさに暗黒の中世。
    ダ・ヴィンチ先生はルネサンスの象徴、世界の窓を一つ開けた人…という視点でしょうか。

    マグダラのマリアの件ですが、あっしも
    「どうでも良いですよ~♪」と、だいたひかるみたいに感じて、オドレイ・トトア(だっけ?)たちの表情が、次第に歓喜に満ちてくる様を醒めて見てましたが、おお、そうだ。

    去年の暮れから、日本も女系だ女性だと皇統問題で大荒れでしたね。
    マグダラのマリアの産んだ子供が娘で、んでもってオドレイもまた、女で…日本では、遺伝子がXだYだと大騒ぎになりましたが、血脈とは、本当に遺伝子の話だけでしょうか。
    キム・ヘギョンさんは、確かに横田家とキム家の子孫でしょうに…とまた、荒れそうなことを書く私。

    皇統の「神聖不可侵」を言いたいなら、生物学的な遺伝子の話に帰結させたのは、大きなミステイクだと、私は思ってます。全ての人間に普遍的に応用できる話になってしまうからね。

    とまあ途中から、彼らの歓喜も少し判る気が致しました。でも、面白かった。

  2. Unknown

    かなこさん、こんにちは。大歓迎ですので、いつでもお越しください。
    そうなんです。映画はけっこう面白くできてました。原作を読んだ人は、端折っててもの足りない。読んでない人は、よくわからない。そんなところが不評の理由でしょう。そんな悪い出来ではなかったと思いますよ。
    オドレイ・トトゥは「アメリ」の頃と比べると、だいぶ大人の感じというか・・キリストの末裔というキャラではありませんが、味のある良い女優さんでした。

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